私の大好きな沖縄名物のひとつに「沖縄そば」があります。

 日本そばとは異なり、ラーメンとも違う、沖縄独特の麺と汁が伝統の味と磨き上げられ、沖縄における代表的食文化のひとつとなって定着しています。

 まず、これを家庭で料理する場合は、スーパーで麺を簡単に買うことができます。

 その店棚にいくと、地域ごとに作られたそば麺が所狭しと並んでいて、八重山そば、宮古そばなど、そこから目当てのそばを探して購入しているのだと思われますが、その「そば事情」を知らないものにとっては、それを選ぶのは大変だと思いました。

 しかし、私の場合は、かつて沖縄市でそば屋を開いていたおばあちゃんが推薦する「照喜名そば」という那覇で製造されているものを選びますので、その苦労を味合わなくてすみます。

 そういえば、北谷村にある有名なHA店のそば屋でも、このそば麺が使用されていると聞きました。

 この照喜名そばの麺を購入し、それを持って帰って沖縄そばにしていただきます。

 先日は、このそば麺の上に、ゆし豆腐とモズクをかけてたべましたが、おばあちゃんも初めて食べる料理だそうで、美味しく食べられていました。

 一方、外の沖縄そば屋で食べる場合には、それぞれ店固有の味があり、その味の競い合いが起きていますので、それらを食べ歩くことはじつに楽しいことです。

 さて、今回は、名護に二度行き、その度に同じ「沖縄そば」をいただきましたので、その「宮里そば」を紹介することにしましょう。

DSC_0668
宮里そば屋(市役所のすぐそばにある)

 私のかすかな記憶では、たしか、このそば屋は、名護の貧富んガジュマルの近くにあったのではないでしょうか。そこを訪れ、沖縄そばを何度か食べたことがあります。

 この写真の店舗は、比較的新しく、その店がここに移転したのではないかと想像しました。

 店内は広いのですが、いついっても満席で、お客さんが溢れていました。観光客というよりも、地元の方々の方が多いいようで、そのことからも、このそばが地元のみなさんに愛されている証拠だと思いました。

 注文したそばは、相棒と共に「三枚肉そば」でした。

DSC_0666
三枚肉そば(たっぷりショウガをかけました)

 私の沖縄そばの味の評価法は、最初の一口で決めることにあります。

 まず、だし汁が口のなかに残るか、麺に歯ごたえと柔らかさがあるか、そして、それらが喉を超えた際の感動があるかどうか、これらを確かめることにあります。

 この宮里そばにおいては、薄味なのに、それが口になかに残り、旨みを覚えさせます。麺には弾力があり、噛み応えがあり、だし汁とのコンビネーションが抜群で、噛むほどに美味しさがにじみ出てきます。

 「これは旨い」と感激しながら、二口目をショウガと一緒に食べます。

 もちろん、「コーレーグース(島唐辛子を泡盛に漬けた調味料)」も多めにかけて、ピリ辛の美味しさも引き出すようにします。

 このそばのもうひとつの特徴は煮昆布が載せられていることであり、これが柔らかくて新たな味を添えていました。

 三枚肉も極上の味で、今回はやや硬めでしたが、甘辛い味がしみ込んでいました。

 もう一つの特徴は、麺の量が多く、なかなか食べ終わらないことでした。いつも相棒の方が早く食べ終わりますが、今回も、しばらく、それを食べ終わるまで待っていただきました。

 「名護に来たら宮里そば、これからも楽しみですね!」

 食べ終わった車の中で、その相棒が、このようにいっていました。

 車窓からは、恩納村の美しい海と青い空が右手に観えていました(つづく)。