前回の記事から約2週間が経過しました。この間、沖縄での小旅行もあり、その報告が中断することになってしまいました。 

  一方で、この研究所建設は、少なくないみなさまに好意的に受け留められ、早くも、その竣工の暁には見学したいという要望が示されています。

 その建築も最後の仕上げの段階に到達し、大工さん、左官屋さん、クロス屋さん、水道屋、電気屋さんなど、出入りするみなさんもにぎやかになってきました。

 そこで、この報告も少しピッチを上げて行うことにしましょう。

 ⑥換気と通風

 現在の住宅を設計する際に、換気と通風の方法を検討しましたが、それは、どちらかといえば、東西方向に関してであり、南北方向についてはほとんどなされていませんでした。

 ところが、いざ住みついてみると、夏場の暑さを和らげるための換気と通風問題の検討が不足していたことが判明しました。

 じつは、夏になると、涼しい風が南側から吹いてくることを知り、その風を吹きいれるには玄関を開けることが一番良いことが明らかになりました。

 東西方向よりは南北方向、すなわち南から風が吹いてくることが解り、孫が夏休みに来た時には、玄関を開けて、そこを上がった廊下の上で昼寝させたこともありました。

 反面、リビング内には南風が十分に吹いてくるようにならず、暑いと感じることになりました。

 また、そのリビングは吹き抜けになっているおですが、その上部における換気が不十分であり、ここに熱気が溜まることで暑さを凌ぐことができませんでした。

 これらの反省を踏まえ、第1に、南北方向の風通しをよくするために、南北の窓をきちんと設けること、第2に、熱がこもるリビングの最上部に換気扇を設けることにしました。

 その際、エアコンによる空気の流れを考慮し、高温の気体が最も集まりやすいところに、その換気扇を設置することにしました。

 その折、設計士とは何回かのやり取りがあり、エアコンの気体の流れとリビング内の空気の流れを詳しく説明することで、その換気扇の位置を納得していただきました。

 その換気扇用のダクトの位置を写真で示しておきましょう。

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換気扇用ダクト

 写真の左上に、換気扇用のダクトが設置されています。その後ろにはロフトを造っていただきました。

 最初は、左端の窓の部分に換気扇を設ける予定でしたが、窓があるために、その設置が難しく、今の位置にずらすことで落ち着くことになりました。

 このリビングの屋根には、南上がりの屋根が設置されていて、高温の空気が、この最上部に集まってきますので、この高温気体を喚起することが、夏の暑さを防ぐ必須の装置であるといえます。

 ところで、リビングの北側に窓を、どのように設けるかについては、次のような検討がなされました。

 ①北側であるから、寒さを防ぐために、可能なかぎり窓は小さくした方がよい。

 ②窓の位置も高くして、盗難を予防する。


 このような配慮を行った結果、北側の窓は、小型で高い位置に配備されたのですが、それが意外にもよかったようで、そこからの景色を家内がとても気に入ることになりました。

 「台所に立ちながら、右手に、その景色を楽しむことができます。また、食卓からも裏の竹やぶや山が見えて素敵です」

 そのお気に入りの光景を紹介しておきましょう。

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北側の窓からの景色(右手には小城山の一部が見えている)

 ここは、緑砦館で最高の窓景色となりそうです(つづく)。