前線が停滞し、そこに南と西からの風が吹き込み、集中的に雨を降らせることで、大きな土砂と水の深刻な被害が報じられています。

 とくに被害が大きかったのは福岡県の朝倉市と大分県日田市のようで、心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。

 このように毎年のように激甚災害が全国各地で発生し、その原因となっている異常気象に対して、その対策が追い付いていないことから、深刻な被害が連続して起こることになります。

 この激甚災害がおこれば、その指定を受けて国からの予算を得て、その対策を講じる、このようなサイクルになっていますが、このような悪循環は、そろそろ終わりにしなければいけませんね。

 もっとお金と人を投入して、国土の保全計画を豊かに実践していく必要があるのではないかと思います。

 さて、お隣の工事も、この梅雨のために中断しています。

 現在は、基礎工事が終わり、その上に土台敷を行う段階ですが、雨の中では、この作業を進めることができません。

 晴を待って、この土台敷を済ますと、一気に棟上げ、屋根の敷設となります。

 その後は、大工さんと左官屋さんの出番となり、柱を建てて、壁を張ることになります。

 これらの建築は、設計士によって作成された図面に基づいて行われますが、実際には、それで不十分なところが出てきて、その場合には、その都度、その解決策を協議することになります。

 その際、設計士、大工の総責任者、施主(私ども)の3者の相互理解が重要であり、それをしっかり踏まえて、その改善と調整が次のようになされました。

 ①境界壁のブロック壁を先行して設置しました。この設置に伴い、隣地との東西方向の間隔が、その東側においてやや狭い設計になっていたので、これを約17㎝広くしていただきました。

 なぜなら、ここ通路をガス屋さんや私どもが通りますので、その際にブロックの幅12㎝を考慮していなかったことから、その修正となりました。

 ②ブロック壁設置に伴って、建屋の基礎の高さが問題となりました。というのも、西側境界に設置されているブロック壁を壊すか、壊さないかが検討されました。

 後者の場合は、それだけ基礎が硬くなりますが、そのレベルを上にあげることになり、そのために家屋全体が高くなることでもありました。

 結局、それも3者検討を行った結果、基礎のレベルを上げることになり、現在の家屋の中庭のレベルとほとんど変わらなくなり、「それはよいことだ、作業がしやすくなりますね」、という判断を得ることになりました。

 ③屋内については、バリアフリーを基本にしていますので、玄関から上がる際に段差を設けないという設計がなされていました。

 ところが、玄関ボードの縦の長さの関係で、それが難しいということになり、それではスロープを設けてはいかがかという話になり、その設計図を描いていただきました。

 しかし、狭いところでスロープを設けようとすると、それが急になり、かえって危ないということになりました。
 
 いろいろ検討した結果、屋根の高さをあげるという大工さんのアイデアで問題解決がなされ、建築材のプレカットの前において、その再設計を行うことができました。

 おかげで、バリアフリー住宅の実現を損なわずにすみました。

 今後も、このような問題が出てくることが予想されますが、その都度、3者によって知恵を出し合うことで解決に結びつけていきたいと思います。

 さて、本日は、植物工場ハウス(これを「緑砦館」と呼んでいます)について、少し解説を加えておきましょう。 

 じつは、この数年、最高水準の植物工場をどのように造ればよいのか、そのことを探究し、そして苦心もしてきました。

 振り返れば、手作りの水槽づくりから始まり、見様見真似で野菜作りを始めたのが第1ステップでした。

 その段階から次の第2ステップに移行したのは、大型の補助金をいただき、きちんとした水槽の開発と栽培を行ったときでした。

 そして、現在は、さらにその次の第3ステップの段階に突入し、上記の水槽での栽培に慣れ、その特徴を生かした栽培が可能になりました。

 また、種から苗を育てる方式も可能になり、その栽培法を確立することができるようになりました。

 とくに、一昨年の夏には、「最高に近い野菜栽培法を開発してください」という依頼を受けて、マイクロバブル技術の適用法をより向上させての試験栽培を行ったことが重要な成果を生み出すことになりました。

 これらの経験と成果を踏まえ、それこそ「最高水準」に到達するには、どうすればよいのか、すなわち、野菜栽培法におけるブレイクスルーを、どう成し遂げるのか、これらは、私どもにとって、乗り越えて行かねばならない課題であり、今も、それらに直面しています。

 同時に、上記の技術的な問題に加えて、ハウスとしてのハードの問題もありました。

 通常、すぐに思いつくのはビニールハウスです。

 次回は、このハウスを含むハード問題についてやや詳しく分け入ることにしましょう(つづく)。

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基礎工事がほぼ終了しました。