本日は、家内に誘われて、久しぶりに近くのスーパーに行きました。

 まずは、店頭の果物を見ましたが、丁度、季節の境目だからでしょうか、良い果物がなく、だた眺めるだけに終わりました。

 そのなかで、2種類の中型メロンが箱に入って2000円で売られていましたが、この値段では手が出ませんでした。

 ここ国東では、その価格が1000円を超えると、ほとんどのみなさんは買うことを控えますので、このメロンも売れ残っていました。

 おそらく、数日が経過して、これらのメロンが食べごろになった頃には、より安くなっているでしょうから、その時が狙い目ですね。

 そこから奥に進んで豆腐と生こんにゃくを買い、その奥のお肉コーナーでは特売がなされていませんでしたので、ここも素通りしました。

 次は、魚売り場で、めずらしいものを見つけました。

 それは、生の骨切りがなされた鱧でした。

 しかも、本日は、3パック1000円という特売がなされていましたので、残っていた鱧のパック2つをすぐに籠に入れ、最後の1パックをどうするか、これで悩んでいました。

 あいにく、好物の太刀魚の刺身はなく、あれこれと物色しているうちに、刺身用の大きな鯵の1本ものを見つけました。

 「最後の一つは、この鯵だね」

 新鮮な骨切り鱧と大きな鯵の1本物が、それぞれ333円ですから、これは格安もいいところです。

 「今日は、この鱧しゃぶをメインにして、鯵は『りゅうきゅう』にしたらどうでしょうか?」

 「そうしましょうか」

 これで意見が一致、早速、その鱧を鍋でいただきました。

 鱧しゃぶは山口県でよくいただいた料理ですが、骨切りされた鱧が、この時期にスーパーの店頭に並ぶことはほとんどありませんでした。

 また、めずらしくあったにしても、それはかなり高価であり、とても手が出る代物ではなく、高嶺の花でした。

 ところが、こちらでは、新鮮な骨切り鱧が、超格安で買えるのですから、こんなうれしいことはありません。

 おそらく、これまでの常識に従えば、それは2パックで1500円~2000円はするでしょう。

 
「今日は、一緒に買い物に来てよかったね!」

 この鱧のおかげで、思わず、心が浮き立ちました。

 さて、その鱧の味はどうだったのか?

 ここで、吃驚と感激が私を襲ってきました。

 その鱧を鍋に入れると、身が引き締まるのでしょうか、すぐに形が変わり、みるみる縮んでいきました。

 「これは珍しい!こんなに速く縮むとは・・・・」

 これを口に入れて、二度目の吃驚がありました。

 肉がゴワゴワとして歯ごたえがよく、噛むほどに旨みがどっと出てきたからでした。

 新鮮な魚にお湯を通すと出てくる、あのゴワゴワ感です。

 思わず、二切れ目、三切れ目と、黙ったまま食べ続けました。

 「こんなにおいしい鱧しゃぶを味わったことがあったであろうか?」

 その記憶を探っていっても、それがないことをようやく認識できました。

 すでに、その間に鱧しゃぶが、さらに数切れ口のなかに入り、食道を通過していました。

 国東の鱧、こんなすごいものがスーパーの店頭に並んでいるのですから、国東は、ふしぎなところです。

 そして、すばらしい海の幸があるところですね
(つづく)。

itiba
国東安岐港の魚市場(鱧もよく水揚げされてている)