本日から、本格的に各論に分け入ることにしましょう。

 その最初の主題は、「マイクロバブル発生装置の開発」についてです。

 まずは、その要約を示しておきましょう。

 「マイクロバブル技術を世界に先駆けて開発し、1995年に発表、世界32か国で特許取得、マイクロバブル技術は、わが国発のオリジナル技術です」

 その第1は「1995年」です。

 私は、1994年10月から95年の8月まで、ドイツとアメリカに留学していました。

 そのアメリカから帰国した後に、マイクロバブル発生装置(超高速旋回式)を完成させ、発表したことをよく記憶しています。

 その発表は、学会や新聞紙上において、まず行われました。

 そして、その後のNHKのテレビ報道などによっても、その成果が広く明らかになっていきました。

 また、マイクロバブル発生装置に関する特許を、日本も含めて世界32か国において取得し、そのことが、わが国発のオリジナル技術としての認知にも役立つことになりました。

 以来、22年が経過し、マイクロバブル技術は、徐々に、そして着実に発展し始め、今や国内外において、「21世紀の未来を切り拓く」という重要な展望を示す段階にまで達してきました。

 すでに、前々回、前回の記事において、マイクロバブル技術のイノベーションを起こすための5つの必要条件を明らかにしてきました。

 この5つの必要条件のすべての基礎に、マイクロバブル発生技術が関係していますので、マイクロバブル発生装置は、その核心をなす技術ということができるでしょう。

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              海水マイクロバブルが噴出している様子(気体は空気)

 マイクロバブルとは、その発生時において、10~数十㎛の直径を有する小さな気泡のことです。

 超高速旋回式マイクロバブル発生装置において発生した、ほとんどのマイクロバブルは収縮して

小さくなり、ナノサイズの気泡に変化していきます。

 その過程でマイクロバブルは負電位を増大させ、その内部に蓄積されたエネルギーが間欠的に発散し、その際に発光します。

 この負電位増加と発光現象に見られるように、そのエネルギーの増加と発生によって特殊な化学反応が生成されます。

 私たちが開発したマイクロバブル発生法は「超高速旋回式」と呼ばれています。

 発生装置の中で、秒速500回転前後で空気と水を一緒に回転させ、その旋回空洞部を切断粉砕するすることによってマイクロバブルを大量に連続して発生させることを可能にしました。

 1995年にM1型とM2型を開発して以来、今日までにM5型までの装置を開発してきました。

 これらの装置は、それぞれの目的に応じての適用がなされています(つづく)。

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                 左からM2-M型、M2-LM型、M2-MS型装置