それでは、この主題における各論に具体的に分け入っていくことにしましょう。
その主題とは、「どのようにして、マイクロバブル技術が21世紀の未来を切り拓くのか、を具体的に、かつ実践的に明らかにする」ことです。
この難しくて、そして大きすぎる課題に、どう立ち向かっていくのか、このようなことを考える方は、そう多くはいません。
もしかしたら、ほとんどいないのかもしれません。
そうであれば、一人ぐらいはいてもよいのではないか、そう思ってもよいのではないかと思いながら、その過大な課題の考察を試みることにしましょう。
その際、もう一つの重要な視点を明らかにしておく必要があります。
それは、この課題を解決し、さらに総合的に発展させるには、緻密で優れた、そして系統的な技術戦略を確立することが切に求められていることです。
それは、どこかでありがちな技術戦略を、単に理論化するだけのことではなく、実践的に、それが積み重ねられ、さらには、それが生き物のように有機的に発展し、それがイノベーションの核となり、しかも、その核が連続爆発を誘起させるものでなければなりません。
そんなことが、果たして本当に可能なのか?
読者の多くのみなさんが、それには小さくない疑問を抱かれてもふしぎではありません。
そこで、非常に重要なことですので、そのための必要条件を、再度推敲しましたので、以下に示すことにしましょう。
① 富士山のように、広大な裾野を有する技術的土台の形成が可能である。
② 第1次産業や第2次産業における中小企業、市民などの圧倒的多数の方々がマイクロバブル技術の事業に参画でき、それらの人々に支えられながら、個別のイノベーションを持続的に発展させる。
③ 独創的な科学的及び技術的究明に裏打ちされた「わが国発のオリジナル新技術」として、日本社会と世界をリードしていくことができる。
④ 困難が山積している地域においても、その豊かな再生を実現し、地域のおける核形成と拠点づくりを可能にする。
⑤ 多くの人々が実践的に体験的に学習し、研究し合う道場があり、ここでマイクロバブル技術を担う人々の新陳代謝を行う。
これだけを示すのみで終われば、「なるほど、そうか」で済むことです。
しかし、それでは何の意味もありません。
肝心なことは、その糸口を切り拓き、そこに、その21世紀の扉を切り拓くことを可能にする実践をどんどん積み重ねていくことです。
そして、その土台を幾重にも重ね合わせて大きく、強固にし、そこに大伽藍の建屋をいくつも構築していくことです。
この土台形成のなかで、最も大切なことは、マイクロバブル技術の基礎となる装置開発といえます。
優れたマイクロバブル発生装置がなく、そして、それを用いての豊かな開発が発展していかなければ、その土台形成は困難に帰してしまうでしょう。
そのうち、時代の進展にも適合しなくなり、最後には、もろくも瓦解して、消滅してしまう運命を辿っていくことになるでしょう。
ある時、日本のある企業から電話がかかってきたことがありました。
その用件とは、韓国から「ナノバブルの装置」を購入してきたので、その評価をしていただけないかというものでした。
いきなり、このようなことを頼んできた企業でしたから、そのまま相手にしないでいたら、その後、何度も電話をかけてきました。
「装置を見ていないのに、何も言うことはできません」というと、今度は、その装置を送るから見てくれといってきました。
「そこまでする必要はありません」と丁寧に断りましたが、その資料を拝見すると、それは、「加圧溶解式」であり、いわゆる「白い泡(『白い泡』シリーズの記事参照)」でした。
この方は、その後も何度も電話をかけてきましたので(この台詞はどこかで聞いたようですが)、その際に、次のように説明しました。
「これは、日本で開発された、いわゆる『白い泡』の発生器です。
これが、日本で上手く販売できなくなったから、お隣の韓国に持ち込まれたのだと思います。
それを、あなたは、再び日本に持ち込まれようとされていますが、それで日本でのビジネスが成り立つのでしょうか? ちょっと難しいのではないかと思いますよ」
こういうと、それ以後、かれからの電話は、ぴたりと止みました。
このように、何事も装置が基本であり、その装置の種類によってマイクロバブルの性質が大きく異なることをよく理解することが、最初の問題です。
マイクロバブルであれば、その性質はみな同じではなく、装置が異なれば、そこで発生するマイクロバブルの性質に重要な違いがあることが基本的理解の第一ステップなのです。
それでは、そのマイクロバブルの違いとは何でしょうか?
すでに、この違いは、別稿の「マイクロ・ナノバブルとは何か(2700回記念)(1)~(20)」において詳察されていますので、ごく簡単に触れるに留めておきましょう。
その違いの第1は、発生後に収縮するマイクロバブルなのか、それとも逆に膨張するマイクロバブルなのかにあります。
その本質は、前者においては化学反応が生起するのに対し、後者においては、それがほとんど起こらない、それこそ「只の泡」といってもよいという違いにあるといってよいでしょう。
それでは、なぜ、その前者において化学反応が起こるのでしょうか?
また、その反応が起こるとすれば、そこに、どのような優れた性質が存在するのでしょうか?
その結果、その反応は何をもたらすのでしょうか?
このように、次々と疑問が湧き出てきますね。
じつは、私どもが世界に先駆けて開発した超高速旋回式マイクロバブル発生装置(1995年発表)において発生したマイクロバブルには、このように、いくつもの重要な疑問を発生させるほどの「魅力あるマイクロバブル」だったのでした。
せっかくのことですから、この方式におけるマイクロバブルの発生機構をより詳しく考察しながら、より踏み込んだ究明を、次回において試みることにしましょう(つづく)。
ハゴロモジャスミン
その主題とは、「どのようにして、マイクロバブル技術が21世紀の未来を切り拓くのか、を具体的に、かつ実践的に明らかにする」ことです。
この難しくて、そして大きすぎる課題に、どう立ち向かっていくのか、このようなことを考える方は、そう多くはいません。
もしかしたら、ほとんどいないのかもしれません。
そうであれば、一人ぐらいはいてもよいのではないか、そう思ってもよいのではないかと思いながら、その過大な課題の考察を試みることにしましょう。
その際、もう一つの重要な視点を明らかにしておく必要があります。
それは、この課題を解決し、さらに総合的に発展させるには、緻密で優れた、そして系統的な技術戦略を確立することが切に求められていることです。
それは、どこかでありがちな技術戦略を、単に理論化するだけのことではなく、実践的に、それが積み重ねられ、さらには、それが生き物のように有機的に発展し、それがイノベーションの核となり、しかも、その核が連続爆発を誘起させるものでなければなりません。
そんなことが、果たして本当に可能なのか?
読者の多くのみなさんが、それには小さくない疑問を抱かれてもふしぎではありません。
そこで、非常に重要なことですので、そのための必要条件を、再度推敲しましたので、以下に示すことにしましょう。
① 富士山のように、広大な裾野を有する技術的土台の形成が可能である。
② 第1次産業や第2次産業における中小企業、市民などの圧倒的多数の方々がマイクロバブル技術の事業に参画でき、それらの人々に支えられながら、個別のイノベーションを持続的に発展させる。
③ 独創的な科学的及び技術的究明に裏打ちされた「わが国発のオリジナル新技術」として、日本社会と世界をリードしていくことができる。
④ 困難が山積している地域においても、その豊かな再生を実現し、地域のおける核形成と拠点づくりを可能にする。
⑤ 多くの人々が実践的に体験的に学習し、研究し合う道場があり、ここでマイクロバブル技術を担う人々の新陳代謝を行う。
これだけを示すのみで終われば、「なるほど、そうか」で済むことです。
しかし、それでは何の意味もありません。
肝心なことは、その糸口を切り拓き、そこに、その21世紀の扉を切り拓くことを可能にする実践をどんどん積み重ねていくことです。
そして、その土台を幾重にも重ね合わせて大きく、強固にし、そこに大伽藍の建屋をいくつも構築していくことです。
この土台形成のなかで、最も大切なことは、マイクロバブル技術の基礎となる装置開発といえます。
優れたマイクロバブル発生装置がなく、そして、それを用いての豊かな開発が発展していかなければ、その土台形成は困難に帰してしまうでしょう。
そのうち、時代の進展にも適合しなくなり、最後には、もろくも瓦解して、消滅してしまう運命を辿っていくことになるでしょう。
ある時、日本のある企業から電話がかかってきたことがありました。
その用件とは、韓国から「ナノバブルの装置」を購入してきたので、その評価をしていただけないかというものでした。
いきなり、このようなことを頼んできた企業でしたから、そのまま相手にしないでいたら、その後、何度も電話をかけてきました。
「装置を見ていないのに、何も言うことはできません」というと、今度は、その装置を送るから見てくれといってきました。
「そこまでする必要はありません」と丁寧に断りましたが、その資料を拝見すると、それは、「加圧溶解式」であり、いわゆる「白い泡(『白い泡』シリーズの記事参照)」でした。
この方は、その後も何度も電話をかけてきましたので(この台詞はどこかで聞いたようですが)、その際に、次のように説明しました。
「これは、日本で開発された、いわゆる『白い泡』の発生器です。
これが、日本で上手く販売できなくなったから、お隣の韓国に持ち込まれたのだと思います。
それを、あなたは、再び日本に持ち込まれようとされていますが、それで日本でのビジネスが成り立つのでしょうか? ちょっと難しいのではないかと思いますよ」
こういうと、それ以後、かれからの電話は、ぴたりと止みました。
このように、何事も装置が基本であり、その装置の種類によってマイクロバブルの性質が大きく異なることをよく理解することが、最初の問題です。
マイクロバブルであれば、その性質はみな同じではなく、装置が異なれば、そこで発生するマイクロバブルの性質に重要な違いがあることが基本的理解の第一ステップなのです。
それでは、そのマイクロバブルの違いとは何でしょうか?
すでに、この違いは、別稿の「マイクロ・ナノバブルとは何か(2700回記念)(1)~(20)」において詳察されていますので、ごく簡単に触れるに留めておきましょう。
その違いの第1は、発生後に収縮するマイクロバブルなのか、それとも逆に膨張するマイクロバブルなのかにあります。
その本質は、前者においては化学反応が生起するのに対し、後者においては、それがほとんど起こらない、それこそ「只の泡」といってもよいという違いにあるといってよいでしょう。
それでは、なぜ、その前者において化学反応が起こるのでしょうか?
また、その反応が起こるとすれば、そこに、どのような優れた性質が存在するのでしょうか?
その結果、その反応は何をもたらすのでしょうか?
このように、次々と疑問が湧き出てきますね。
じつは、私どもが世界に先駆けて開発した超高速旋回式マイクロバブル発生装置(1995年発表)において発生したマイクロバブルには、このように、いくつもの重要な疑問を発生させるほどの「魅力あるマイクロバブル」だったのでした。
せっかくのことですから、この方式におけるマイクロバブルの発生機構をより詳しく考察しながら、より踏み込んだ究明を、次回において試みることにしましょう(つづく)。
ハゴロモジャスミン
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