一昨日、私の家を建築した時の左官屋さんのY兄弟のお兄さんの方が、急に来られ、忙しくドアホンを鳴らされていました。

 何事かと玄関に出てみると、玄関ドアから、かれが顔を出され、にこっと笑いながら、こういわれました。

 「今、釣ったばっかり、サワラを持ってきました。食べる?」

 もちろん二つ返事で「食べます」と答えました。

 何か入れ物を持ってきてくれというので、大きなボールを持って車まで行くと、クーラーボックスの中に、今釣ったばかりのサワラが10数匹入っていました。

 そのなかから、肉付きのよさそうなサワラを5、6匹、気前よく選んで、ボールにいれてくださいました。

 「ありがとうございます。あいにく、今日は家内が出かけていて、沖縄にいます」

 「へぇー、沖縄ですか。そんなら、私が、1、2匹、下ろしてあげましょう」

 台所で、包丁を渡すと、みごとな手つきで、そのサワラを2匹、それこそ、あっという間に捌(さば)いてしまいました。

 まことに、親切ですねぇー。

 体長は50㎝前後で、やや小ぶりでしたが、立派なサワラでした。

 そこで、今回は、その捌いていただいた生のサワラにキッチンペーパーをかけて、冷蔵庫で丸一日静置しました。

 その後、これをすべて細かく切って、その上に地元の名産である「カトレア(甘口醤油)」をたっぷりかけて、さらにマヨネーズを少量入れて混ぜ、カルパッチョ風に味付けました。 


 昨夜は、それをいただきました。

 柔らかくて、どうじに餅っとした弾力があり、「これは旨い」と舌鼓を打ちました。

 サワラのマヨネーズ醤油和えですが、こちらでは、これを「リュウキュウ」と呼んでいます。新鮮な魚を細切りにして醤油和えして食べる料理のことです。

 なぜ、このような呼び方になったのかは不明ですが、たしかに沖縄の漁師料理に、このような食べ方のものがありました。

 沖縄伝来のものには、他には七島イがあります。

 これは昔、杵築藩の侍が、沖縄から密かに苗を持ち帰ってきて、それが国東半島一体に広がって、戦前から戦後にかけて、この地方の一大産業になったという経緯を知りました。

 この七島イを畳表にしたものは、昔、「琉球畳」と呼ばれていました。品質が良く、丈夫で長持ちする畳表であり、最近は、外国人にも人気があるそうです。

 しかし、今では、その後継者もわずかになり、その存続が危ぶまれています。

 これを何とかしなければいけないと、相談に来られる方まで出てきています。

 ところで、サワラは、魚偏に春と書きます。

 これから、夏に向かって、ますます成長して、おいしくなる魚です。

 Yさんには、いつもお世話になっているので、先日いただいた台湾製の「カラスミ」と手作り野菜を、お礼として持って帰っていただきました。

 明日は、このサワラの「りゅきゅう」の「お茶漬け」がいただけることを楽しみにしています。

 まさに、ワクワクの「サワラのお茶漬け」になりそうです(つづく)。

sawara-1
                            サワラ(鰆)