マイクロバブルの収縮運動において、非常に重要なことは、マイクロバブルが小さくなることによって何が起こるのか、すなわち、その物理化学的現象を解明し、その意味を明察することです。

  それでは、なぜ収縮が起こるのか?

 これを究明することが、マイクロバブルの本質的理解に密接に結びついています。

 マイクロバブルの収縮とは、その気体としての容積が減少することを意味しています。

 この収縮運動の開始は、マイクロバブルの発生直後の運動が引き金になります。

 その引き金とは、何でしょうか?

 このことを考える際に重要なことは、超高速旋回式マイクロバブル発生装置において、マイクロバブルが発生している内部の様子を考察することです。

 マイクロバブルの発生には、マイクロバブル発生装置内において高速で旋回する気体空洞部が形成され、それが切断・粉砕されることが重要です。

 この旋回気体空洞部の圧力を計測すると、それは、マイナス0.06MPa(メガパスカル)でした。

 これを解りやすく説明すると、約6m下の水を吸い上げることができる負の圧力である、ということができます。

 この負圧の旋回気体空洞部が切断・粉砕されてマイクロバブルが発生させられるのですから、発生直後のマイクロバブルの中の圧力は、この負圧に近い値であると推測することができます。

 発生直後のマイクロバブルのほとんどすべてが、マイナス6mの負圧になっている、このマイクロバブルの状態を造り出すことが、最初に重要なことなのです。

 これに対して、「加圧溶解式」と呼ばれるマイクロバブル発生方式では、丁度、逆のことが起きます。

 それは、小さな気泡核(非常に小さい気泡の卵のようなもので、汚濁物に、その気泡の核が付着していると考えられている)が水中にあり、その周囲の圧力が減じられると、それが膨らんで大きくなってマイクロバブルになると考えるとよいでしょう。

 これは、ビール瓶の栓を抜くと泡ができる様子とよく似ています。

 ビール瓶の中にビールを詰め込む場合に圧力をかけて栓をしていますので、その栓を抜くと、瓶の中の圧力が低下し、それに従ってビール液体中の気泡の核が膨張して、目に見えるほどの大きな泡が形成されます。

 一方で収縮して小さくなる気泡があり、他方では膨らんで大きくなる気泡がある、当然のことながら、これらの気泡の性質は、それぞれ大きく異なっています。

 一部に、「マイクロバブルであれば、みな同じ」という見解が根強くありますが、これはマイクロバブルのことをよく理解してない方々の見解であることによく注意を払っておく必要があります。

 さて、マイクロバブルが収縮を開始する引き金は、超高速旋回式マイクロバブル発生装置において、その回転軸付近の旋回空洞部が、かなりの負圧になることにあります。

 この旋回空洞部が切断・粉砕されてマイクロバブルになりますので、そのマイクロバブル内の圧力も負になっていると考えてよいでしょう。

 そのため、マイクロバブルの発生後は、周囲の正圧環境に影響されて、マイクロバブルの中はマイナス、その周囲はプラスの水圧という関係で、マイクロバブルは押されて小さくなろうとします。

 これが、おだやかに、そして時間的にゆっくりと変化して小さくなっていくのであれば、その周囲水の圧力とマイクロバブル内の気体の圧力がつり合って同じになり、マイクロバブルの収縮は停止して、その大きさの変化は起こらないようになります。

 ところが、実際には、そのようなマイクロバブルの収縮の停止は起こりません。

 なぜか、マイクロバブルはさらに収縮運動を継続していくのです。

 どのような理由で、そのように収縮を継続させるのでしょうか。

 ここに、超高速旋回式マイクロバブル発生装置で発生させたマイクロバブル固有の特徴が潜んでいました。

 下図は、マイクロバブル発生直後のマイクロバブル内外の圧力関係を示しています。

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 その発生直後から、わずかに時間経過しますと、マイクロバブル内は負圧のために、より押されて収縮しようとします。

 そして、この収縮は、マイクロバブル内外の圧力を同じにしようとして、さらに収縮していこうとします。

 この次の過程については、次回において詳しく説明することにしましょう(つづく)。