本日は、昨年9月から継続している水産養殖場の見学に行きました。
前回は、昨年12月に見学しましたので、じつに3ケ月ぶりとなりました。
一般に冬になりますと、水産生物は餌を食べなくなり、その成長が滞ってしまいます。
また、南方系の水産生物ですと、いわゆる低温障害を起こして、成長が止まるどころか、斃死してしまう場合もあります。
たとえば、アコヤガイの場合は12℃であり、これ以下になると斃死してしまいます。
この水産生物の場合は、約5℃だそうで、南方とは言えども、その温度管理が重要になります。
もともと南国地方の海ですから、水温が低くなることはないのですが、養殖池の場合は水深が浅く、上から寒風が吹くと池全体が冷えてしまい、これによって大量の斃死が起こってしまうことがよくあるそうです。
そこで、例年の歩留まりを聞いてみました。
そしたら、どうでしょう。例年の生存率は、5割から6割の間というのですから、これは凄まじいといってもよい生存率の数字です。
「約5割近くが、死んでしまう?」
これは大変なことであり、聞いて吃驚の数字でした。
ーーー ここにも大変な困難があったのか!
「今年は、それでそうなのですか?」
と尋ねてみました。
「今のところ少ないようですが、来月になって見ないとよく解りません」
という返事でした。
まだ、気温が低いので、すべてが動き出していないとのことで正確に確かめようがないということでした。
そこで、サンプルを取り出していただきました。
「12月のときに見せていただいたサイズとほぼ同じです。この間餌を食べていないので太りようがなかったのですね」
「そうです。これから、気温が上がってきて、再び餌を食べて成長しますので、これからが本番です」
「しかし、よく見ると元気いいですね。良く動いていますよ」
「そうですね。もっと動きが鈍いと思っていましたが、そうでもないですね」
「とても元気よく、動いていますよ」
こういうと、漁師の方の表情が明るくなりました。
話は、これからのことに移りました。
上述の斃死率の観察、それを踏まえてのその水産生物の移動(近くの大きな池への放流)、6月出荷に向けての養殖過程における処置と出荷の目途などが、4月の下旬に確定するそうで、そのころに再度視察を行うことを決めました。
また、今の養殖池のすぐ近くに別の同規模の養殖池があり、そこにもマイクロバブル装置を導入したいという意向が示されました。
しかし、それには経済的な目途が明らかになっていないとのことでしたので、私は、次のようにいっておきました。
「こうなったら、大きく育てることが大切だと思います。
目先の経済的理由で、そのやり方を決めてはいけません。
経済的な知恵は、人がやることですから、どうにでもなりますよ。そう心配されない方がよいですよ」
こういうと、かれは心から喜ばれている様子でした。
さらに、私は、次のように続けました。
「4月末に目途がついた時点で、この成果をどのように公にするかを検討しましょう。
せっかくの30年ぶりの復活の話ですから、これは地域にとっても、あるいは日本全体にとっても小さくない朗報になると思いますので、私のルートで聞いてみることにしましょう。
立派な成果の見通しが出てきたら、全国に向かって大いにアピールしましょう」
さらに、かれの目が輝き始めました。
「この水産生物の味を確かめ、それがよければ、私の知り合いの一流どころに販売可能かを検討していただきましょう。
この間、さまざまな農作物について、その試食をしていただき、小さくない評価を得ていますので、これも、そのルートに乗せることはいかがですか。
日本の第一線の一流どころに評価して正当な値段で買っていただく、これが一番ですよ」
こういうとかれも喜ばれ、私の提案を受容されたようでした。
「今、2017年の春がやってきて、その勝負の時期がやってきたのではないか」、帰りの車中で、そのような思いが、私の心を過っていました。
知恵と工夫、そして、大きく育てる支援、これが真に試される時期がすぐそこに来ているのではないでしょうか(つづく)。
前回は、昨年12月に見学しましたので、じつに3ケ月ぶりとなりました。
一般に冬になりますと、水産生物は餌を食べなくなり、その成長が滞ってしまいます。
また、南方系の水産生物ですと、いわゆる低温障害を起こして、成長が止まるどころか、斃死してしまう場合もあります。
たとえば、アコヤガイの場合は12℃であり、これ以下になると斃死してしまいます。
この水産生物の場合は、約5℃だそうで、南方とは言えども、その温度管理が重要になります。
もともと南国地方の海ですから、水温が低くなることはないのですが、養殖池の場合は水深が浅く、上から寒風が吹くと池全体が冷えてしまい、これによって大量の斃死が起こってしまうことがよくあるそうです。
そこで、例年の歩留まりを聞いてみました。
そしたら、どうでしょう。例年の生存率は、5割から6割の間というのですから、これは凄まじいといってもよい生存率の数字です。
「約5割近くが、死んでしまう?」
これは大変なことであり、聞いて吃驚の数字でした。
ーーー ここにも大変な困難があったのか!
「今年は、それでそうなのですか?」
と尋ねてみました。
「今のところ少ないようですが、来月になって見ないとよく解りません」
という返事でした。
まだ、気温が低いので、すべてが動き出していないとのことで正確に確かめようがないということでした。
そこで、サンプルを取り出していただきました。
「12月のときに見せていただいたサイズとほぼ同じです。この間餌を食べていないので太りようがなかったのですね」
「そうです。これから、気温が上がってきて、再び餌を食べて成長しますので、これからが本番です」
「しかし、よく見ると元気いいですね。良く動いていますよ」
「そうですね。もっと動きが鈍いと思っていましたが、そうでもないですね」
「とても元気よく、動いていますよ」
こういうと、漁師の方の表情が明るくなりました。
話は、これからのことに移りました。
上述の斃死率の観察、それを踏まえてのその水産生物の移動(近くの大きな池への放流)、6月出荷に向けての養殖過程における処置と出荷の目途などが、4月の下旬に確定するそうで、そのころに再度視察を行うことを決めました。
また、今の養殖池のすぐ近くに別の同規模の養殖池があり、そこにもマイクロバブル装置を導入したいという意向が示されました。
しかし、それには経済的な目途が明らかになっていないとのことでしたので、私は、次のようにいっておきました。
「こうなったら、大きく育てることが大切だと思います。
目先の経済的理由で、そのやり方を決めてはいけません。
経済的な知恵は、人がやることですから、どうにでもなりますよ。そう心配されない方がよいですよ」
こういうと、かれは心から喜ばれている様子でした。
さらに、私は、次のように続けました。
「4月末に目途がついた時点で、この成果をどのように公にするかを検討しましょう。
せっかくの30年ぶりの復活の話ですから、これは地域にとっても、あるいは日本全体にとっても小さくない朗報になると思いますので、私のルートで聞いてみることにしましょう。
立派な成果の見通しが出てきたら、全国に向かって大いにアピールしましょう」
さらに、かれの目が輝き始めました。
「この水産生物の味を確かめ、それがよければ、私の知り合いの一流どころに販売可能かを検討していただきましょう。
この間、さまざまな農作物について、その試食をしていただき、小さくない評価を得ていますので、これも、そのルートに乗せることはいかがですか。
日本の第一線の一流どころに評価して正当な値段で買っていただく、これが一番ですよ」
こういうとかれも喜ばれ、私の提案を受容されたようでした。
「今、2017年の春がやってきて、その勝負の時期がやってきたのではないか」、帰りの車中で、そのような思いが、私の心を過っていました。
知恵と工夫、そして、大きく育てる支援、これが真に試される時期がすぐそこに来ているのではないでしょうか(つづく)。
国東安岐港
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