昨日、大阪と東京からの訪問者がありました。

 そのお一人の方が、ご自分で約70坪の畑で野菜を栽培しているという紹介があり、俄然、農業についての話の花が咲くことになりました。

 土日になると、ご自分で畑に行っては野菜作りをなさっているそうで、スイカがたくさんできて食べきれなくなった、無農薬野菜は美味しい、5年目にして近くのベテラン農家が農作物の方法を教えてくれるようになったなど、次々のおもしろい話が飛び出してきました。

 この方は土耕、私は水耕、その方法は異なっていましたが、野菜を育てることに関しては同じですので、すぐに仲間感覚を抱くことができました。

 やや遅い、昼飯時でもあったことから、こちらで昼ご飯を用意しておりました。

 「最初に前菜として自家製野菜を食べていただきましょう。小皿に、私が採取した野菜を4人分用意してください」

 こういって、最初に出したのが、生のワケギでした。

 これを数㎝に切って、そのまま食べていただくことにしました。

 ワケギの生を、そのまま食べるのは、なかなかないことなので、まずは、それを試しました。

 出されたワケギの方は、その直前に、根元付近からハサミでバッサリ切って、その下部を残しました。

 しばらくすると、そのワケギの芽が出てきますので、最生産が可能になります。

 次は、柔らかサニーレタスにしました。この時期、このように柔らかで、襞(ひだ)の多いサニーレタスはなかなかありません。

 もちろん、柔らかいうえに噛むとシャキシャキしまうので、ここちよい歯ざわりになります。

 4人のお客さんは、ここまでは何もしゃべらず、生でそのまま、それから塩をかけて、さらには胡麻ドレッシングなどで、その味を確かめられていました。

 3皿目は、茎の長さが20㎝程度の小ぶりのミツバでした。

 ここで、そのお一人が、「これはおいしい」と声を上げられました。

 ほかの三方も同様だったようで、頷かれていました。

 「独特のやや強めの香りが、なんともいえないでしょう」

 こういうと、さらに納得されたようでした。

 ここで、別の方が、このミツバの感想を紹介されました。

 「このミツバを東京の和風レストランの料理長さんのところに持っていきました。かれは、それをすぐに摘んで口の中で食べて試していました。

 そしたら、その香りと味に、すごく驚かれていました」


 ヒトは感激したときに格段の理解を深めることができます。

 この料理長さんの理解と同じ反応が、それぞれ4人の方にも現れていました。

 4皿目は、白菜と高菜の両方を混ぜたものでした。この両方の香りが重なって、やや複雑な味になったようでしたが、「高菜の香りがする」という発言もありました。

 最後の5皿目は、お二人にはおなじみの摘み立てセロリでした。

 このセロリの特徴は、1)茎の下まで緑色、2)香りがよくて柔らかくみずみずしい、3)癖がなく、独特の嫌味もない、5)セロリが嫌いな人でも好きになるという5つにあり、これも黙々と召し上がっておられました。

 
5つとも、みなさん食べっぷりがよく、少しも残さず、食べ終わった皿はきれいなものでした。

 お酒は、モンドセレクション最高金賞7連覇を果たした村重酒造の大吟醸酒「錦」が少し残っていましたので、まずは、それを一杯飲んでいただきました。

 そのなかのお一人が、この酒は「14代」という酒の味にそっくりだといわれていました。この酒、都会では、一升瓶で4、5万円もするところもあるとのことでした。

 それから、もう一人の方は酒通の方だったようで、酸味やコク、そしてキレに関する話が盛り上がりました。

 ここで前菜は終了、次に出てきたのは、ともに生きていた城下カレイとメイボの刺身でした。

 前者は日出という近くの名産ですが、国東沖でもたまに獲れることがあり、格別においしいカレイです。

 やや小ぶりでしたが、5枚ともみな生きていましたので、ここは刺身が一番と思って出したところ、みなさん、大いに喜ばれていました。

 生きていたメイボも負けず劣らずの味でした。

 とにかく、この2つの刺身に向かってみなさんの箸がよく動いていたこと、これがとても印象的でした。

 「東京では、このように新鮮な白身の魚に出会うことがめったにありません。買いに行っても店頭には並んでいません」

 「そうですよね。東京においては白身の魚を食べることに期待していません。ひたすら、マグロだけですよ。

 ここは豊後水道、その潮が大分空港沖で衝突するところですので、とくに白身の魚は豊かで、味も格別です。

 そして、とにかく安い、ここは、他がまねできないところです」

 ますます、このような会話がゆかいに弾み続けました(つづく)。

hakunanowakaba
白菜の若葉