昨年の基調講演と各講演発表での質疑応答、そして今年の一般公演、さらには、各講演発表に関する質疑応答を通じて、マイクロ・ナノバブル学会におけるマイクロ・ナノバブルに関する研究の到達点を概ね理解することができました。

 その到達点に関する全体的な特徴の概要については、この場で触れてきましたが、ここで改めて言及しておくことにしましょう。

 また、その提示の前提として、次の考察の視点を明らかにしておきましょう。

 その第1は、マイクロ・ナノバブル、すなわち、マイクロバブル、ナノバブルの物理化学的特性と生物的機能に関する特性などに関する本質的な究明がなされているかどうか、に関することです。

 第2は、それらの究明を踏まえて、産業や生活に役立つ技術的発展を実現しているかどうか、に関することです。


 これらの究明は、互いに影響を与え合う関係にあり、それらの相互作用や融合によって共に発展を成し遂げることでブレイクスルー(突破)やプログレス(飛躍)を生み出す可能性を有しています。

 これらの視点に照らし合わせますと、これらの突破には未だ不十分さがあり、それゆえに、それらは「生成期」の域を脱するまでには至っていないように思われます。  

 この「生成期」の次には、「発展期」があり、その違いは、後者においてマイクロバブル、ナノバブルに関するいくつものイノベーション(少なくとも数種類のヒット商品が生まれ、産業や生活において新たな定着が始まることを可能にする改革)が連続的に、そして爆発的に起こり続けることが明らかになる必要があります。

 しかし、残念なことに、現段階においては、すなわち、この2年間においては、上記の第1の課題に意欲的にアプローチしようとした試みはあったものの、その十分な突破は困難であったように思われます。

 したがって、第1の課題が突破できない以上、第2の課題の本格的な解決には至っていないのだと思います。

 なぜなら、この課題は、単なる思い付きや偶然の「良い出来事」のみでは突破できない側面があり、真正面からマイクロバブル、ナノバブルの優れた性質を引き出し、それを産業や国民生活における突破を生み出す水準にまで最高度に高めていくことが求められるからです。

 ここに、マイクロ・ナノバブルに関する困難があり、大きな壁が存在しているのだと思います。 

 この第1の課題については、その本質に迫る議論が大いに不足しているのだと思います。

 単に、講演の後で質疑応答を行うだけでなく、そのテーマに関する深い、そして意味のある(企業のみなさんにとっても有益で面白い)議論を徹底して行う場が必要ではないかと思いました。

 私が実行委員長を務めていた第1回~第3回のマイクロバブル技術シンポジウムでは、各40分の講演ごとに約20分の質疑応答の時間を設け、最後には約60分の総合討論の時間を確保していました。

 しかし、これでも、質疑や討論の時間が足りないほどでしたので、それだけ、参加者のみなさんの関心が高く、会場の大小はあっても、いつも満席で、立ち見も出ることも珍しくありませんでした。

 また、論点を整理し、本質的に重要なテーマに絞って、議論を大いに沸騰させるのもよいでしょう。

 たとえば、私が、その企画者であれば、次のようなテーマを思い浮かべることでしょう。

 「マイクロバブルとナノバブル、どちらが大切か?」

 互いに、マイクロバブルとナノバブルの研究者をそれぞれ2名選んで、議論を戦わせるのもよいでしょう。

 さらに、次のテーマもゆかいでしょう。

 「マイクロバブル、ナノバブル、そのイノベーションは実現できるか?」 

 この場合は、可能であると主張する2名の研究者とそれは難しいという見解を有する企業の方2名とのバトルがよいと思います。

 このような企画が実現されるとなると、教え子のM君や元NHKのKさんなどは、大いに胸を躍らせることになるでしょう。

 こうなると、選ばれた有氏たちは、互いに負けてなるものかと事前に作戦を立てることになります。

 単に、自分のことだけではなく、相手の研究、とくに弱点を調べて、そこを突くことが重要になります。

 また、その弱点を突かれた時の反論も用意しておく必要があります。

 その際には、他流試合になると、さらに、おもしろさを増すことになるでしょう。

 これを2、3年繰り返していきますと、マイクロバブル、ナノバブルの本質的理解は一気に深まり、みなさんの関心もどんどん広がっていくのではないでしょうか。

 これを「マイクロ・ナノバブル道場」と呼ぶことにしますと、この道場は、おそらく外国人の耳にも入り、きっと興味を持たれて、この道場の見学や他流試合の申し込みをなされるようになるのではないでしょうか。

 「マイクロ・ナノバブル」技術の誕生地、日本で「おもしろい道場」が始まったいう伝聞が、きっと国境を越えていくことでしょう(つづく)。

 
kiku
   菊  
 追伸
 もちろん、互いに非難し合うバトルではなく、建設的に、それぞれを発展させるという節度を持って議論することが大切ですよ。
   
 
 これを「大人の建設的討論」といってよいでしょう。