前回の記事においては、大きな植物工場の視察に向かうという指摘で終わっていました。

 この視察の結果については、そのうち機会を得て詳しく述べたいと思いますが、総じて、これまでと同じく良い成果が得られていました。 

 さて、本日は、温かい晩秋の太陽光線が差し込むなか、近隣にある水産養殖場へ、4度目の視察に出かけました。

 「現地の業者は、このところ忙しいそうですね」

 「そうみたいですね。午前中は、出荷作業で忙しく、少しも時間が取れないそうですよ」

 「忙しくなったことは、それだけ営業していることでしょうから、これは、とても好ましいことですね」

 「今年の夏は、大変厳しかったので、その分を取り返そうと頑張っておられるようです」

 「そうだよね、ぜひ、そうしていただきたいですね」

 このような会話をしながら、現地に着きました。

 現地は意外と風が強く、養殖池が波立っていました。


 「また、水の色が少し変化しているようだね」

 池面を見ながら、マイクロバブルの発生状況が順調であることを確かめました。

 気温が下がり、その分だけマイクロバブルが溶解しやすくなったからでしょうか。風で吹き寄せられた箇所の水面には、マイクロバブルがやや多く停滞するまでになっていました。

ーーー マイクロバブル運転が順調に持続していて、これは、かなりのことが期待できるのではないか?

 こう思いながら、池面を観察しているうちに、オーナーのKさんがやってきました。

 「どうですか、順調に推移していますか?」

 「はい、順調ですが、水温が、昨日で12、13℃になり、こうなると餌を食べなくなり、休眠状態となります」

 「そうですね。このところだいぶ冷えてきましたね。ところで、この上にテントを張るという話はどうなりましたか?」


 「じつは、そのテントが本日届くことになっています。これで、少し水温の維持ができると思います。」

 「それは、いいですね」

 「じつは、どうしたらよいのか、わからない問題が起きています。

 例年ですと、このくらいの低温に入りますと餌を食べなくなるのですが、それが不思議にも、まだどんどん餌を食べています。

 こんなことは初めての経験ですので、どう考えたらよいのか・・・・」


 「マイクロバブルの場合は、『プラス4℃効果』と呼んでいます。多くの生物に対して、実際の温度よりもプラスして4℃程度の状態を想定してもよいという作用効果があります」

 「といいますと・・・?」

 「現在の水温を12℃としますと、実際に起こっている現象は、プラス4℃で16℃のときとほぼ同じような効果があると考えてよいのです」

 「ほんとうですか? そんなことがありうるのですか?ということであれば、まだ餌をやり続けても、それを食べる可能性があるということですね」


 「そうです。餌を食べなくなるまで、やり続けることが重要です。日ごろは、成長を停止する、この時期に、しっかり餌を食べさせて成長させることができるようにすることが大切です」

 「なるほど、それはすごいことですね」

 「イソップ物語にアリとキリギリスの話があります。

 それとは季節が真反対ですが、この冬のうちに、すなわち、他のところで成長が止まっているときに、ここだけは成長させる、これがマイクロバブルの優れた知恵というものですよ」

 
こんな会話を繰り返しながら、そこで養殖している水産生物をすくっていただきました。

 
「これは大きいですね。先ほどいっていた体重とは、ずいぶん違うのではありませんか?」

 「そういわれれば、そうですね。先ほど私が予測した体重よりははるかに重いですね。先ほどの体重の値の2倍はありますよ」

 
「そうでしょう。これはかなり大きいですよ。1匹ではわかりませんので、5、6匹ほどすくってください」

 これがなかなか難しく、ようやくその数だけ集まりましたが、ここで、さらに一同が驚きました。

 じつは、それらが、ほぼ同じサイズで、みな大きかったからでした。

 「これはすばらしいですね。この傾向だと、小さい赤ん坊の段階から、ほぼ直線的に成長していることになりますね」

 「ということは、どういうことですか」

 「通常の海洋生物の場合、成長すると体調や体重の伸びが減少していきます。冬場になって成長が止まることで、同じように成長率が減少します。しかし、この場合、それらが起こっていなということになります」

 「そんなことは、ありうるのですか?」

 「めったにないことですが、マイクロバブルを供給する環境が整った場合には、そのあり得ないことが起こる場合もあります。

 私の場合、東日本大震災が起きた冬場に、大船渡湾と気仙沼湾で、冬場になっても成長率が直線的に維持されたという事例に遭遇することができました」

 「そうであれば、ここも理想的な成長空間と考えてよいのですか?」

 「おそらく、マイクロバブルが作り出したみごとな成長水域環境といってもよいでしょう」

 「ということは、今後にかなり期待ができるということですよね」

 「ここまでくると、そういってもよいでしょう。来年夏の出荷までには、相当な、そして予測できないようなうれしいことが起こってくるのではないでしょうか」

 帰りの車中では、このようにうれしい会話が繰り広げられました
(つづく)。
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青が美しいラベンダーセージ