組織が生き生きと発展していく時とは、このような状態をいうのでしょうか。
 本日は、2人の新入会員の参加を得て、第16回マイクロバブル研究会が開催されました。

 参加者は15名、会議室いっぱいとなり、狭く感じました。

 最初の話題提供は、M会員による大分県および国東半島における地震と津波の歴史的探索でした。

 いつものように、丁寧な調査結果が示され、大変勉強になりました。

 大分県においては、別府湾から、別府、由布地区へと断層があり、それが北東へは伊方原発がある佐田岬半島へ、南西には、阿蘇熊本への断層へと連なっていて、それが先の大地震をもたらしました。

 報告では、この数百年間における地震の発生と被害状況が丁寧に説明されました。

 これによれば、大分県においては数多くの地震が発生し、かなりの被害がもたらされていました。

 しかし、一方で、国東地方においては、その近くで地震が発生しても、その被害は、国東地方では発生せず、より遠隔の地方において発生しているという特徴が示されました。

 これは、国東地方が、かつての両子山の噴火にともなう溶岩と岩盤で形成されたことと関係し、地震と津波においては、かなり安全な場所であることが明らかにされました。

 おそらく、国東地方で、地震や津波が発生し、被害が出るようでしたら、その周辺地域は大変な規模の被災を受けるであろうと推測できます。

 この討論のなかで、私も、伊方原発において事故が起きた場合に、どのような影響を受けるかについて発言しました。

 まず、佐賀関と佐田岬の間隔は、わずかに15㎞しかありません。

 ここを豊後水道の潮流が北上していきます。

 その際、この流れは、水深に対して横幅が広く、それを上から見ると非常に薄い厚さしかない流れといえます。

 このように浅くて広い流れの場合、それを支配するのは、垂直方向に軸を有する流れと渦巻になります。

 豊後水道の潮の流れが、この両半島間を流れる際には、圧力(水深)が高くなって、いわば噴流状態になって流れ出します。

 その際に、この半島を過ぎると、その方向は山口南県東部付近に向かって流れ、そこで陸地に到達すると反転し、再び、四国の佐田岬半島に向かいます。

 これを上から俯瞰しますと、時針周りの大きな渦巻き模様の流れが形成されることになります。

 もし、仮に地震が起きて伊方原発内の汚染物質が海に流れた場合には、その海水は、この渦巻の流れになり、その一部が佐田岬半島に沿って大分の別府湾に向かって流れていくようになります。

 ここで、その流れは、半島間の流れのはやい海流に乗っかって、再び山口県側に運ばれると思われますが、実際には、そうなりません。

 先ほど、この半島間の流れが速くなり、山口県付近に到達するといいましたが、それは、時間的に変化していて、しばらく、山口県南東部付近に流れて、それが渦巻として四国側に戻り、佐田岬半島に添って流れてきた海流が、その両半島間の流れの向きを変えてしまうのです。

 その向きは、別府湾側に向かい、丁度大分空港沖で、その渦巻が衝突し、さらに向きを変えて別府湾に流れ込んでいきます。

 (ここでは潮の流れが変化するので、大分空港沖は絶好の漁場となり、地元の漁師や釣り師たちに豊かな海の幸を提供しています)

 すると、今度は別府湾のなかでぐるぐる回る渦巻が発生します。

 ですから、伊方原発の事故によって汚染された海水は、じつは別府湾でぐるぐる回って停滞するという危険性があるということができるでしょう。

 一方で、その汚染された海水は山口県南東部にも運ばれ、その渦巻によって停滞するといことになります。

 しかも、この山口県南東部には上関地区に原発を設けようという構想があります。

 仮に、ここに原発ができた場合に、そして地震で事故が起きた場合には、伊方原発とのダブル汚染という最悪の事態が考えられます。

 おまけに、瀬戸内海の海水は約2週間で入れ替わりますので、そのサイクルで、西部の汚染された海水が瀬戸内海全域に及ぶことになります。

 よく考えてみれば、このような危険と一緒に多くのみなさんが生活されており、そこでの被害は途方もないことになる可能性があるといってもよいでしょう。

 こうなれば、国東はおろか、別府湾、そして瀬戸内海にまで汚染が広がり、定着してしまうことになります。

 そして、真にすばらしい海の幸もいただくことができなくなります。

 かつて、原発村が栄えたころには、このような指摘を行うと、「それは杞憂だ!」とまったく相手にされませんでした。

 しかし、福島の災禍を経験した多くのみなさんの意識が大きく変わりました。

 私も、2011年3月11日の津波被害から、約3か月後に現地入りし、その視察と復興プランを現地でどう実施するかを考えました。

 「こんな災禍を二度と繰り返してはならない」

 現地のがれきの山の中で、こう誓いました。

 やや長くなりましたが、このような発言を行い、研究会での議論を展開に加わりました。

 次回の記事は、S会員の話題提供を中心に報告することにしましょう。


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                               ミニトマトの花