「久しぶりに、鈴木の卵屋さんに寄ってみようか!」

 「そうですね。すぐ近くだから行きましょう」

 そこは、大分県日出町にある鈴木養鶏場の「スズラン食品館」という名の販売所のことで、私どもは、「鈴木の卵屋さん」と呼んでいました。

 家内からは、ここの卵で造ったロールケーキが美味しいといわれていましたので、それをお土産に買おうかとも思っていました。

 しかし、私の目的は、ここの「トリメシ」を買うことでした。

 大分県は、昔から鶏料理において優れたものが多く、なかでも「トリメシ」は、お気に入りの商品のひとつでした。

 地元国東をはじめ、中津、院内(宇佐市)、大分とその食べ比べをしてきましたが、やはり、この鈴木さんちの「とりめし」が一番であり、「今日も残っておればよいが」と心配しての立ち寄りでした。

 人気があるのでしょうか、いつも、よく売れていて、残り僅かの状態で買うことが多く、店に着いてから真っ先に、そのコーナーにいくと幸運にも1パック残っており、すれすれのセーフで買い物かごに入れることができました。

 大きな養鶏場ですから、その料理においてもかなりの工夫がなされたのでしょう、それがトリメシの味にみごとに現れていました。

 これを逸品というのでしょうね。

 また、ここには鶏関係の食品も多く販売されており、なかでも生みたての新鮮卵が目玉商品であり、その箱入りがありましたので、20個入りを購入しました。

 この生卵に、醤油を少しかけて、ご飯にかけて食べる、これを「卵かけご飯」と呼び、子供のころからよく食べてきました。

 「やはり、卵が美味しいと、味が違うね、おいしい」

 これを聞いて家族も、この「卵かけご飯」をいただいていました。

 ほかにも、ニラ入りの卵焼き、ニンジンやショーガ、キュウリなどの「みそ漬け」、ジャンボシュークリームなどもありました。

 この最後者も、家族の「お気に入り」だそうで、これも相棒が買っていました。

 「たまには、鈴木さんちも、いいね!」

 こう隣の相棒に話しかけると、かれは、いつのまにか買っていたジャンボソフトクリームを食べていて、忙しそうでした。

 トリメシは、お結び状態で3つ入っていましたので、それを5人で分けておいしくいただきました。

 このトリメシをはじめ、みな安くて、おいしいものばかりでした(つづく)。

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                    たまご屋さんがつくったロールケーキ