本日は、午後からお客さんを迎えて、最近の取組についてのプレゼンテーションを行いました。

 これは、私どもの研究開発の成果について関心を持たれたようで、それに丁寧に対応することになりました。

 その後、車で出かけ、水産養殖の現場を視察しました。

 約10日前に、マイクロバブル装置を設置し、電話では、順調に稼働しているとのことでしたので、それを実際に観察し、その状況を確かめたいと思っていました。

 先日の試運転の際には、まだ、その水産生物が投入されていませんでしたので、マイクロバブルの稼働と、その発生状況、流動状況を確認したことで終わっていました。

 その翌日に、大量の幼生物が投入され、それに対応して、マイクロバブルの方も慣らし運転を行い、その生育が順調に始まっていることを観察しながら、マイクロバブルの発生時間数を徐々に増やすという対応をしていただきました。

 そこで、その成長ぶりを観察するために、小型の透明水槽を持参しました。

 まず、マイクロバブルが大量発生している海水を汲み、それに、その幼生物を入れていただきました。

 海洋生物は、マイクロバブルに対して特徴的な動きを示しますので、それを観察してみようと思ったからでした。

 私としても、この観察は非常に興味深いものでしたので、それこそじっくりと観察し、写真撮影も行いました。

 それが投入されて数分が経過し、マイクロバブル水に慣れてきたからでしょうか、独特の動き生まれてきました。

 「おもしろい動きですね。それにしても、よく動いて、元気ですね!」

 「これは、なかなかよさそうですね!」

 「そうですね。私としては、この10日間の成長ぶりを見ていると、『上の上』ではないかと思います」

 「やはり、そうですか。これは、入れた時の状態と比較しますと、どうなりますか?」

 「最初の時と比べると、数倍は大きくなっていますね」

 「それは、すばらしいことですね」

 このような会話からも明らかなように、これは幸先良いスタートとなったといえるでしょう。

 おそらく、この幼い段階における急成長が体質改善をもたらし、大人になっても、それを維持することができるというマイクロバブル固有の特徴が、これから大きに発揮されるようになるのではないかという予感を抱かせるものでした。

 また、マイクロバブル発生装置によるマイクロバブルの発生状況、流動状況を調べた後に、その発生地点の移動を行うことにしました。

 これによって、マイクロバブルの流動が、池内全体により広くいきわたるようになりました。

 同時に、池底に堆積している汚濁物質にマイクロバブルが付着することで、それが無数に浮上してきて、これをすくって取り除くことで池の水質改善がなされることにも注目されました。 

 「これで、次回の視察が楽しみになりました。マイクロバブルの供給は、その生物の様子を見ながら、存分に行うようにしてください」

 別れ際に、こういうと、その養殖業社の社長さんは、目を輝かせながら、返事をなされていました。

 「わかりました。やってみます!」

(つづく)。
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                         ヒガンバナの蕾と花