日中の気温も28℃前後になり、やや秋の気配が漂うころとなりました。本日は風もなく、静かな日曜日の朝です。

 先日の6日に、N君の夏休みの自由研究が張り出されているとのことで、お母さんに案内されて、それを見に行きました。

 発表会場は、校舎の3階の廊下でした。


 そのN君の力作は、その階段を上りつめてすぐの大きな防災扉の全面をほぼ使って張られていました。

 この階段を昇降する人には、もっとも目立つところにあり、そのプレゼンは、大きなAゼロ判用紙三枚に書かれていました。

Nnatuyasumi
N君のポスター(2016年9月6日、筆者撮影)

 まずは、その大きさに圧倒されました。

 しかも、そのすべてが手書きの力作でしたので、これら書き終えるには、相当の努力が必要でああったろうと思いました。

 その研究の内容は、次の3つに分かれていて、この構成も優れていました。

 ①マイクロバブルに関する12の質問と回答、そして「まとめ」

 ②自分で育てたヘチマとマイクロバブルで育てたヘチマの比較

 ③水槽でのマイクロバブル実験の結果


 これらは、小学校6年生にしては高度なものが多く、それらのむずかしい問題をやさしく、そしてわかりやすく示したことに小さくない意味がありました。

 その意味で、小学生が読み、感じ、そして理解できるという水準を示していただいたことから、「これは貴重なモデルになる」と思いました。

 以前から、マイクロバブルに関する「ジュニア科学版」としての解説本はないのですかという問い合わせがありました。

 それをどうやって書こうかと思っていましたので、N君からの申し込みがあったときに、「これはよい機会だ。それを試してみよう」と思い立ちました。

 また、これは、最近になってペットのケアをするトリマーの方々からの「要望」でもありました。

 「現在、小学生のための夏休み講座で、その優しい解説に取り組んでいます」と伝えると、「ぜひそれを読ませてください」という声が寄せられていました。

 さらに、実際に、その講座が始まり、可能なかぎりやさしく、その解説をおこなっていくと、今度はブログの愛読者から次のような声が寄せられました。

「今回の夏休み講座におけるマイクロバブルの解説はわかりやすくてとてもよい。

 これを近くの『おばさん(高齢者の女性という意味で使われていたことば)』に紹介するとわかりやすいと評判になりました。

 私にとっても、むずかしいことをやさしく説明されていて理解が進み、ありがたいと思いました」


 こんなわけですので、「私の回答」よりも、N君のものが、よりわかりやすいと思いますので、近々、貴重な記録として、その連載を開始したいと思っています。

 さて、①については、さらに私のコメントを加えておきましょう。

 この12の質問は、お父さんと相談しながら考えたとのことでした。

 その内容は、マイクロバブルとは何か、その使用分野、そして、自分の手の指の皮が剥けていたのが、なぜ治ったのかという個人体験、さらには、マイクロバブルが、これからどのような分野に使われるのかという未来論まで含まれた多彩なものでした。

 この質問事項を示していただいたときに、これは「マイクロバブルのすべて」をかなり網羅していて、個々には、その本質を突いているものばかりだと思いました。

「この質問に答えるだけで、立派な自由研究にはなるが、それを十分に理解させて文章にまとめるのは、そう簡単なことではない」

 こう思いながら、まずは、それにふさわしい回答を示しながら、それを補う、理解を深める体験的学習をするには、どうすればよいのか、この問題の知恵を絞ることにしました。

 それが、ヘチマの収穫体験、料理、そしてマイクロバブル実験でした。

 それらの内容が、三枚目のプレゼンに詳しく書かれていました。

 このポスターを初めて見る人にとっては、最初の質問と回答を見ただけでは、その内容を理解することができませんので、まずは、ヘチマとその料理の写真に目が向きます。

 そして、なるほどと思って、次に見るのが、その下にあるマイクロバブル実験の結果でした。

 しかし、それを見ても、よく考えないとふかくは理解できませんので、「おもしろい実験を行ったことはすばらしい」と感じ、その内容に興味が湧いてくると、最初の12の質問と回答を読んでみようという気になるのです。

 そして、一連の内容を理解して、「N君、すばらしい自由研究をしましたね」という評価に至るのです。

「よくぞ、ここまでがんばりましたね。お母さん、お父さんと協力して仕上げたすばらしい自由研究成果です」

 私も、このように思いました。

 この力作をしばらく堪能した後に、他の生徒による展示も見学しました。これらは、せいぜいA3版程度のものが多く、その内容も、N君のものとはかなり違っていました。

 「近頃は、夏休みの自由研究にあまり力を入れなくなった」、これは、N君の担任の先生が仰っていたことですが、その言葉通りの作品ばかりが並べられていました。

 このように、近頃は、夏休みの終わりの風景も変わってきたようで、そのことに一抹の寂しさを覚えました。

 そんな中でのN君の力作は、私の似顔も書かれていて、一際、印象に残るものでした。

 よい夏休みの自由研究をすることができました(この稿おわり)。

nigaoe
かなり若すぎる私の似顔絵