右足が動かなくなると、すぐに左足も同じように動かなくなりました。両足がまっすぐ伸びたままで、これでは少しも立ち上がることすらできませんでした。

 この足の悪化が引き金となり、自分で排泄ができないようになりました。

 ヘルニアの症状が進んで、排泄を調節する神経系統が麻痺し始めたからでした。

 犬は、もともと清潔な動物であり、排泄する場所や時間を自分でコントロールできるようになっていて、そのため室内では排泄行為を決しておこないません。

 ところが、この機能が発揮できなくなり、おむつをかぶせざるをえなくなりました。

 その寝たきり状態になってしまったペロの様子を示します。
 
perp2
動けなくなったペロ(後ろ足が伸びきったままの状態)

 Oさんによれば、右足はまったく無反応状態、左足は、若干の反応がある程度で、ともに足が伸びきったままで、元に戻すことができない状態に陥っていたそうです。

 獣医師の診断では、外科手術は無理で、高齢で内臓にも問題があるという指摘も受けていました。

 そして、主人公のペロも、このままいけば老衰して死へ向かうしかないと悟ったのでしょう。

 身体の不安が、脳にも及び、排泄もコントロールできなくなって、夜泣きが始まりました。

 「なんとかしてほしい!」

 ペロの悲痛な泣き叫びが、Oさんや家族の心に苦痛を与えました。

 夜泣きの叫び声を聞いて、ペロのところに慰めに行くと、泣くのを止めましたが、そこから立ち去るとすぐに、再びな泣きはじめ、それが夜中中続くことになりました。

 これでは、ペロも大変でしたが、Oさんとその家族も堪りませんでした。

 このころのことを、Oさんは次のように語られています。

   「これは、ほんとうに地獄のような苦しみでした」

 問題は、どうしたらよいのかがわからないことにありました。

 「医者にも見放され、このまま見守り、死を待つのみなのか」

 ペロの泣き声が、この思いと重なって聞こえていたからでした。

 1日3回のおむつの取り換え、夜中の介抱、身体の汚れの清掃、どれをとっても大変な毎日で、家族もみな疲れ果てて、希望をなくしかけていました。

 それは、足が動かなくなってからの1か月間、その症状が悪化の一途をたどったからでした。

 「望みは、どこにあるのか?」

 Oさんの気持ちは、「それこそ、藁にもすがる気持ちで、何とかしてほしい」というものでした
(つづく)