今年は、とても暑い夏でした。

 その夏休みも、一昨日で終わりました。


 また、その夏休みにはマイクロバブル講座を、2年ぶりに開催することができました。

 今年の受講生の主役は、N君でした。

 かれは、なかなか素敵な小学6年生で、感がよく、てきぱきと返事がる素敵な少年でした。

 聞くところによれば、野球部のキャプテンで、学校の生徒会会長もなされているとのことで、「道理でしっかりしていたわけだ」と思いました。

 また、その彼が、マイクロバブルを夏休みの自由研究の題材に取り上げたことが大変ユニークでした。

 悩みの種であった、自分の手の指の「皮むけ」が、完全に治って、きれいにな手になったことに強い関心を持ったことが重要でした。

 そして、「その理由を知りたい」、「そのマイクロバブルとは、なにか?」と思いをめぐらし、それらの問題に真正面から切り込んでみたいと思った動機がすばらしいものでした。

 すでに、その自由研究は、約半年前から、自分の力で開始し、しかも自分の指において検証されていたことでしたから、これほど最適な動機はないといってもよいでしょう。

 身近な、そして、どうしても改善したかったことを、自分で考え、研究してみようと思うことは、自分が生きていくうえで必要な「科学の目」を養うことに結びつきますので、とても大切なことなのです。

 その最初の入り口となったマイクロバブルに関する12の質問は、お父さんと話をしながら考えたことだったそうで、いずれも的をえたものでした。

  その夏休み講座の第1回目の時に、それらの質問を受け、その場で回答をしていいましたが、どうも、その即答では不十分な気がしてきて、本ブログにおいて、きちんと文書化して再回答とすることにしました。

 この意図は、N君への回答を十分に練り上げることにありましたが、それだけにとどまらず、少年用にマイクロバブルに関する「解説」あるいは「普及」のための文書を書いてみたいと思っていましたので、「これはよい機会だ。挑戦してみよう」という思いが湧いてきたからでした。

 しかし、いざ書き進めてみると、これが意外と簡単ではなく、「むずかしいことをやさしく」、そして「ふかく、しかも、おもしろく」書くことは、さらにむずかしいことを思い知らされました。

 まず、やさしい用語を選び、それらを用いて大切なことを文書化していく作業には、当然のことながら、いつもよりははるかに時間を要し、その度に、私の稚拙な文筆能力が問われることになりました。

 それでも、こちらも夏休みが終わらないうちに、それを書き上げてしまわないと、お粗末な話になってしまいますので、こちらも集中して取り組むことになりました。

 この回答は、いわば第1コーナーを曲がったにすぎず、ここから、その自由研究を、どう具体的に発展させるかが重要なことでした。

 その目的の第1は、夏休みの自由研究の内容をより充実させることにありました。

 単に、聞きたかったことの回答を得て、その内容に関することを詳しく調べることでも、立派な自由研究になりますが、それでは、真に惜しいと思っていました。

 そこで、その目的の第2を加えることにしました。

 それは、マイクロバブルを自分の目で見て、直に触れ、実験によって、その結果を直接学ぶことでした。

 これを一言では「体験的学習」というのですが、これを徹底して行うことによって、「マイクロバブルとは何か」を、自分でしっかり学ぶことが、何よりも重要と考えていました。

 これは、ある意味でN君の意識のなかに、マイクロバブルをいかに鮮明に印象付けるかという問題でもあり、そのために、いかに感激させるかという課題でもありました。

 「感激することが、その科学の心に火を点ける最高の方法ではないか」

 最近は、このように思うことが多く、このN君の自由研究は、その実践的試験の場であったということもできるでしょう。

 さて、その実践はどのように遂行されたのか、次回は、そのことについて分け入ることにしましょう(つづく)。
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皮がむけて大変だったN君の手と指が、このように改善していました。