質問5:マイクロバブルは、どういうきっかけで作ったのですか?
昨日の記事の続きです。
世界12か国の特許を取得していた曝気装置(ばっきそうち)の誤りの部分を取り除(のぞ)くことによって、新しい装置を開発(かいはつ)することができました。
これを「W型装置(ダブリュがたそうち)」と名付(なづ)けました。
この装置は、水中で空気の塊(かたまり)を噴出(ふんしゅつ)させ、その装置のなかで水といっしょに回転(かいてん)させる方式(ほうしき)でした。
しかし、この方式では、その回転速度(かいてんそくど)が小さく、そのために、マイクロバブルを発生(はっせい)させることができませんでした。
さて、どうしたものか。
「もっと小さい気泡を作りたい」、このきもちは日に日に大きくなっていきました。
そして、開発に費(つい)やした15年の後半(こうはん)は、このW型装置の改良(かいりょう)をめざすことになりました。
まず、水と空気を直接(ちょくせつ)容器(ようき)の中にいれて、共に旋回(せんかい)するように工夫(くふう)しました。
これによって、水と空気がいっしょに回りはじめました。
すると、どうなったでしょうか?
空気は水よりも軽(かる)いことから、空気は中に集(あつ)まり、水は、外の方に向かうようになりました。
これは、それぞれ、「向心力(こうしんりょく)」と「遠心力(えんしんりょく)」とよばれています。
その結果(けっか)、まんなかに、空気の柱ができるようになりました。
これは、竜巻(たつまき)の様子(ようす)とよく似(に)ていました。
水と空気をいっしょに旋回させると、竜巻(たつまき)やストローのような空気の柱(はしら)が、まんなかにできる、これは、なぜだかかわかりませんでしたが、当時、とても重要(じゅうよう)な現象(げんしょう)ではないかと思いました。
しかし、これでも小さな泡、すなわちマイクロバブルを作ることはできませんでした。
「新し技術(ぎじゅつ)を開発すること」とは、このように、一歩(いっぽ)ずつ前(まえ)に進(すす)んでいくことであり、とちゅうで、それをあきらめないことが、とても大切(たいせつ)なことなのです。
さて、ここで偶然(ぐうぜん)にも、幸福(こうふく)の女神(めがみ)が、ほほえんでくれました。
その場に、私は、いませんでしたが、実験中(じっけんちゅうちゅう)に、スタッフのひとりが、そのメガホン型の装置の出口(でぐち)を手でふさぎました。
そしたら、どうでしょう、小さなマイクロバブルのみが大量に出ていたそうです。
これは、旋回(せんかい)する空気の柱(はしら)を水といっしょに高速(こうそく)でちぎることによって実現(じつげん)させたものでした。
この装置を、さらに改良して効率(こうりつ)のよい、すなわち、より小さなマイクロバブルを大量に発生させることができるようにしました。
その後、この装置を完成(かんせい)させ、公表(こうひょう)したのが、1995年のことでした。
苦節(くせつ)15年、この開発は、すくなくない反響(はんきょう)をまきおこしました。
たとえば、日刊工業新聞(にっかんこうぎょうしんぶん)では、1面のトップ記事として話題(わだい)になりました。
以上を踏まえ、第4質問(しつもん)の回答(かいとう)のつづきを示します。
「マイクロバブルを発生させる装置の開発(かいはつ)は、一歩(いっぽ)、一歩の改良(かいりょう)の積み重ね(つみかさね)と偶然(ぐうぜん)によってなしとげられました。
装置のなかで高速(こうそく)で回転(かいてん)させ、その中心(ちゅうしん)軸(じく)上で空気の柱(はしら)をつくり、それを水といっしょに千切(ちぎ)ることによって、マイクロバブルを大量発生させることができました。
この完成(かんせい)によって、なにごともあきらめずに、ねばりづよく取りくむことによって、最後(さいご)には、幸運(こううん)の女神(めがみ)が、ほほえんでくれることもあることを学びました」
(つづく)。
1995年に完成したマイクロバブル発生装置
(左からM2-L型、LM型、MS型装置)
昨日の記事の続きです。
世界12か国の特許を取得していた曝気装置(ばっきそうち)の誤りの部分を取り除(のぞ)くことによって、新しい装置を開発(かいはつ)することができました。
これを「W型装置(ダブリュがたそうち)」と名付(なづ)けました。
この装置は、水中で空気の塊(かたまり)を噴出(ふんしゅつ)させ、その装置のなかで水といっしょに回転(かいてん)させる方式(ほうしき)でした。
しかし、この方式では、その回転速度(かいてんそくど)が小さく、そのために、マイクロバブルを発生(はっせい)させることができませんでした。
さて、どうしたものか。
「もっと小さい気泡を作りたい」、このきもちは日に日に大きくなっていきました。
そして、開発に費(つい)やした15年の後半(こうはん)は、このW型装置の改良(かいりょう)をめざすことになりました。
まず、水と空気を直接(ちょくせつ)容器(ようき)の中にいれて、共に旋回(せんかい)するように工夫(くふう)しました。
これによって、水と空気がいっしょに回りはじめました。
すると、どうなったでしょうか?
空気は水よりも軽(かる)いことから、空気は中に集(あつ)まり、水は、外の方に向かうようになりました。
これは、それぞれ、「向心力(こうしんりょく)」と「遠心力(えんしんりょく)」とよばれています。
その結果(けっか)、まんなかに、空気の柱ができるようになりました。
これは、竜巻(たつまき)の様子(ようす)とよく似(に)ていました。
水と空気をいっしょに旋回させると、竜巻(たつまき)やストローのような空気の柱(はしら)が、まんなかにできる、これは、なぜだかかわかりませんでしたが、当時、とても重要(じゅうよう)な現象(げんしょう)ではないかと思いました。
しかし、これでも小さな泡、すなわちマイクロバブルを作ることはできませんでした。
「新し技術(ぎじゅつ)を開発すること」とは、このように、一歩(いっぽ)ずつ前(まえ)に進(すす)んでいくことであり、とちゅうで、それをあきらめないことが、とても大切(たいせつ)なことなのです。
さて、ここで偶然(ぐうぜん)にも、幸福(こうふく)の女神(めがみ)が、ほほえんでくれました。
その場に、私は、いませんでしたが、実験中(じっけんちゅうちゅう)に、スタッフのひとりが、そのメガホン型の装置の出口(でぐち)を手でふさぎました。
そしたら、どうでしょう、小さなマイクロバブルのみが大量に出ていたそうです。
これは、旋回(せんかい)する空気の柱(はしら)を水といっしょに高速(こうそく)でちぎることによって実現(じつげん)させたものでした。
この装置を、さらに改良して効率(こうりつ)のよい、すなわち、より小さなマイクロバブルを大量に発生させることができるようにしました。
その後、この装置を完成(かんせい)させ、公表(こうひょう)したのが、1995年のことでした。
苦節(くせつ)15年、この開発は、すくなくない反響(はんきょう)をまきおこしました。
たとえば、日刊工業新聞(にっかんこうぎょうしんぶん)では、1面のトップ記事として話題(わだい)になりました。
以上を踏まえ、第4質問(しつもん)の回答(かいとう)のつづきを示します。
「マイクロバブルを発生させる装置の開発(かいはつ)は、一歩(いっぽ)、一歩の改良(かいりょう)の積み重ね(つみかさね)と偶然(ぐうぜん)によってなしとげられました。
装置のなかで高速(こうそく)で回転(かいてん)させ、その中心(ちゅうしん)軸(じく)上で空気の柱(はしら)をつくり、それを水といっしょに千切(ちぎ)ることによって、マイクロバブルを大量発生させることができました。
この完成(かんせい)によって、なにごともあきらめずに、ねばりづよく取りくむことによって、最後(さいご)には、幸運(こううん)の女神(めがみ)が、ほほえんでくれることもあることを学びました」
(つづく)。
1995年に完成したマイクロバブル発生装置
(左からM2-L型、LM型、MS型装置)
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