今年は、早くも新米の季節になりました。

 じつは、今年の桜の季節に国東市朝来(あさく)のダムサイトで桜祭がありました。

 おいしい食べものがいくつも出ていますので、いつも楽しみにしていました。

 「今年は、あのおいしい、お米が出ているだろうか?」

 こう思いながら辺りを見渡しましたが、その特売コーナーはありませんでした。

 「今年は出ていないよ、残念だね」

 仕方なく、その朝来の山菜おこわの弁当と天ぷらをいただきました。

 「おこわもおいしいね。やはり水がよいのでしょう!」

 食べ終わって、「そろそろ帰ろうか」といっていた矢先、新たな出店が出てきて、そこで目当ての朝来米が売られていたではありませんか。

 さっそく、それを買って、ついでに、この米を作っていた農家のWさんの電話番号を教えていただきました。

 帰ってから、さっそくWさんに電話をしたところ、自分の手持ちの米を、親切にも分けてくださいました。

 それから、しばらく、「この米は旨い」といいながら食事を楽しむ時期がありましたが、やはり、米は食べればなくなるもので、それ以降は、高くておいしくない米をスーパーで買っては食べていました。

 「そろそろ、あの米が食べたくなったね! 新米はいつ頃出るのであろうか?」

 「電話で聞いてみましょうか?」

 早速、家内は電話をしたそうですが、それから数日後に、そのWさんから電話がありました。

 「新米を出荷するから、買うなら今ですよ」といわれ、すぐに出向きました。

 この朝来地区は、「朝霧と蛍の里」として有名です。

 朝霧は、夜間と朝の温度差によって発生しますので、このような冷暖地においては、米もおいしいといわれています。

 新潟県魚沼産の「こしひかり」がおいしいのも、そのせいでしょう。

 蛍は、清流にしか生息せず、ここでは両子山系のなだらかな傾斜に沿って、きれいでおいしい水が流れています。

 ですから、「ここの米は旨い」という評判が地元で確立しています。

 「どうだった?上手く買えた?」

 「ええ、買えましたよ。30㎏の袋入りを2つ買いました」

 「それはよかったね。しばらく、この新米を楽しめそうだね」

 米種は「ひのひかり」だそうでした。

 さっそく、この新米をいただき、そのおいしさに舌鼓を打つことになりました。

 とくに、これを納豆と一緒に食べると最高で、日ごろはあまり食べない納豆を毎日食べるようになり、おかげで体調がよくなってきました。

 「このお米、いくらだったの?」

 気になって、その購入価格を尋ねました。

 「30kgで7500円でした」

 「これは、べらぼうに安いね」

 「そうですよ。べらぼうに安くて、べらぼうにおいしいですよ」

 そこで、いつもスーパーで買っているお米の比較をしてもらいました。

 それは、5㎏で1980円だそうで、今回の新米は、それを白米にする代金を含めると、1283円でした。

 --- たしかに、べらぼうに安い、市販の価格の65%にすぎない。

 そこで、全国的な米の価格を調べてみました。

 かなりよいお米が、やはり、5㎏で2000円近くしていました。

 ブランド米ですと、それ以上のものもありました。

 --- たしかに、これは小さくない違いだ!

 米は主食ですので、この違いが積もると、大きなものになりますね。

 「べらぼうに安くて、べらぼうにおいしい」

 という家内の言葉を思い返しました。

 --- ということは、多くのみなさんが、「けっこう高くて、あまりおいしとはいえない米」を食べているということになりますね!

 やはり、国東の食環境は格別です (つづく)。

 
gohann
新米の炊き立てごはん(国東市朝来米)