未だ、第二仮説の説明が不十分なままですが、これにより深く分け入ってしまうと、しばらく、そこから抜け出せなくなりますので、ここは、ひとまず通過して、第三仮説について述べることにしましょう。

   ③第三仮説:

 これは、第二仮説とは異なって、全く未知のナノバブル生成メカニズムがあるかもしれないという考え方です。

 ナノバブルという非常に小さい気泡をたくさん生成させるには、それにふさわしい生成のためのエネルギーが必要になります。

 その別個のナノバブルを生成させる現象があるとするのであれば、そして、それが何らかの液体界面であるとすると、そこにも小さくない界面張力が働いているはずです。

 この界面張力の大きさに打ち勝たない限り、そこから、より小さいナノバブルを生成させることは実現できないのではないか、これが常識的な考え方ということになります。

 当然のことながら、その気泡サイズが小さければ小さいほど、その界面張力は大きくなるはずです。

 これは、飛行や車が速く走ろうとして、そのスピードを増せば増すほど、逆に抵抗が増大して撚り速く走ることができないこととよく似ています。

 すなわち、気泡が小さくなると、それだけ表面(界面)張力は大きくなりますので、それを割って開く、いわば、「はじけさせる」には、はるかに、それ以上の力が必要になることから余計に困難になってしまうのです。

 さて、マイクロバブルの収縮・溶解とは異なる固有のナノバブル生成法は、本当にあるのでしょうか?

 これについての解明は、今後の研究の発展に期待したいと思います。

 そこで、前記事までにおいては、第二仮説の説明が不十分でしたので、次回に、再び、その問題に分け入ることにしましょう(つづく)。