これまで述べてきた「ヘチマの里づくり」における3つの柱を列挙しておきましょう。

 ①ハイレベルのヘチマ料理を味わう。

 ②ミツバチを呼び寄せ、その再生を実現する。

 ③ヘチマの葉影を作り、都市の高温化を防ぐ。また、その葉影の下で語らい、夏の涼しさを楽しむ。


 これらに加えて、その4つ目は、「ヘチマたわし」を作ることです。

 子供のころに銭湯にいくと、ほとんどの大人がタワシを使って身体を洗っていました。

 そのタワシの必需品が、今では、すっかりナイロン繊維に置き換わってしまいました。

 そして現代人は、ヘチマのたわしを使って身体を洗う心地よさも忘れてしまいました。

 私もその一人であり、幼き頃の私は、大人たちがヘチマのたわしを用いて身体を洗っているのをしり目に、「さぞかし痛いであろうな」と思いながら、その使用を避けていました。

 もっとも、我が家の洗面器の中には、なぜかヘチマがなく、それを使う機会を逃していたのかもしれません。

 そんな具合で、昨年初めてヘチマのたわしを作ることになりました。

 どうやら、それを作る時期が遅かったようで、どちらかといえば硬いたわしができてしまいました。

 しかし、それでも出来上がったのは「硬いたわし」ではなく、予想した以上に柔らかいたわしでした。

 --- これは気持ちがよい。

 いつの間にか、湯船に入ったまま柔らかに力を抜いてゴシゴシと洗う「ここちよさ」を楽しむようになりました。

 乾布摩擦ならぬ、水中摩擦がとても「ここちよい」刺激であることを知りました。

 ーーー ヘチマたわし、昔の大人たちは、この「ここちよさ」を求めていたのか!

 このよさに気付いたのは約60年ぶりのことですが、なんとなくうれしい気分になりました。

 --- 昨年は、ヘチマの種を取るために乾燥しすぎたヘチマでたわしを作ってしまった。今年は、もう少し早めに、青い状態でたわしを作ってみよう。

 こうして、今年のヘチマのたわしづくりは、次のステップに進むことになりました。

 もっと柔らかくて心地よいヘチマたわしづくり、これが今年の目標です。
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                  ヘチマの実(2015年9月2日、筆者撮影)