ヘチマの里づくりにおける柱の第1は、ハイレベルのヘチマ料理を楽しむことでした。

 また、その第2は、絶滅が心配されているミツバチを復活させることでした。かつての故郷には、いくつもの花が咲き、そこにくさんのミツバチが寄ってきていました。

 幼き頃の、この見馴れた光景が、いまや消え去ろうとしているのです。

 このミツバチの急減は象徴的な問題であり、ミツバチの次には何がやってくるのか、そのことを考えさせるに十分な事例といえるでしょう。

 たとえば、先日、市販の大葉を試食する機会を得ることができました。

 その特徴は、1)硬い、2)口に入れて噛み始めると、もさもさとした違和感が出てきた、3)噛むほどに嫌みな味が出てきて美味しくなくなる、4)後味が悪いなどにありました。

 見た目はきれいなのに、「これでは、刺身のツマにしかならない」と変な納得をしました。

 そして、これらに農薬が深く関係しているのではないかと推察しました。

 また、お茶についても農薬の使用量が指摘されており、それを聴くと、迂闊にお茶も飲めないような気がしています。

 また、この料理試作においては、いわゆるヘチマの露地ものとマイクロバブル育ちのものの比較をきちんと行う必要があります。

 さらに、スーパーの店頭に並んでいる野菜も、その外見は非常に立派ですが、それを食べてみると、農薬のせいであろうと思われる後味の悪さ、美味しくない嫌みがあることに気付きます。

 ーーー これでは、野菜好きは生まれない。自分で、本当に美味しい野菜を作るしかない。

 これが、私の到達点でした。

 さて、第3の柱は、地球の高温化に挑戦状を手渡すことでした。

 ヘチマの繁殖力が、この挑戦を可能にしてくれました。

 すでに、グリーンカーテンとして、地元の自治体においてもゴーヤの種が配布されています。

 地球の高温化を防ぐためのささやかではありますが、しかし貴重な取り組みといえます。

 しかし、この運動は、何もゴーヤに限る必要はありません。

 ヘチマも、その仲間としての十分な利点を有しています。

 そのことは、今年の特徴である、ゴーヤとヘチマの同時栽培の結果からも明らかです。

 すでに、ヘチマのメインの蔓は約6mを超えました。ゴーヤには、ここまでの勢いはなく、太陽光を遮蔽する効果においては、ヘチマの方がより勝っているように思われます。
ヘチマの先端(2016年7月12日、筆者撮影)

 また、ヘチマの葉は上部であり、少々強烈な太陽光でも、それを跳ね返す厚みと強さ、大きさを有しています。

 このヘチマによるグリーンカーテンにおける問題は、その栽培場所と量です。

 都市の高温化をもたらす主因の一つがマンションであり、ここで、その住民のみなさんがヘチマ栽培を行う意義を理解し、そのベランダで実際にヘチマを育てるようになるかどうかが、まず問われることになります。

 これが、あるマンションの一戸で上手くいったとしましょう。そのベランダは、ヘチマのグリーンカーテンで覆われていて、外から見ても、その緑が目立ちます。

 ここには、たくさんのヘチマの実が生っています。あまりにも、たくさん生ったので、それをお隣さんに配りました。なかには一緒にヘチマ料理を楽しむ近所づきあいも始まりました。

 「ヘチマの天ぷらとビール、これは意外と合いますね」

 さらには、次の爽やかな談笑も生まれてきました。

 「このヘチマの葉影はここちよいですね」

 「涼しい風も吹いてきて爽やかです。このヘチマのおかげで室内もかなり涼しくなりました」

 「おかげで、ヘチマの緑の下でのティ―タイムの回数が増えましたね」

 やがて、一戸のマンションのベランダからお隣へ、そしてマンション中のベランダにヘチマの緑が見えるようになりました。

 当然のことながら、ヘチマ料理と談義も増え、都会では、このヘチマの水耕栽培がクールで粋なな話となっていきました。

 やがて、東京の人々は、オリンピックに備えて、東京の高温化を防ぐために、ヘチマが有効な手段となりうることを深く認識するようになりました
(つづく)。

 このような好循環サイクルの形成を目指して、東京をはじめとするいくつかの都市のマンションのベランダにおいて、その先駆けとなる試験栽培が行われています。

 ここで、どのような成果が生み出されるか、これも、今年のヘチマの里づくりにおける重要な注目点のひとつといえるでしょう。
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             ヘチマのグリーンカーテン(2015年8月21日、筆者撮影)