「いよいよ、宴の最後は、主人公お二人の演奏です」

 なにか、お二人でやるとは聞いていましたが、果たして、どう演じるのか、興味を抱いていると、次のような司会者の説明がありました。

 「Y君は、ギター伴奏、Mさんはボーカルです。二人の息のあった演奏をお聞きください」

 ーーー おやおや、Mさんのピアノは聴いていたが、歌を唄うの?これは初耳だ!

 演奏が始まる前に、Y君からの挨拶があり、二人で練習をしてきたとのことでした。

 --- あれだけ忙しかったのに、よく練習をすることができたね。

 そう思っているうちに、演奏が始まりました。

 伴奏もさることながら、歌がすばらしいではありませんか。

 これは、少々どころではない驚きでした。

 ーーー ピアノだけでなく、歌も唄えたのか。 これまでの認識を改めなければならない。

 うっとりしながら、これは、どこかで聴いたことがあると思いながら、それを思い出せないままに聴きほれていました。

 後で尋ねると、ジャズのスタンダードの名曲「酒とバラの日々」でした。

 お二人の名演奏は、この宴にピッタリのものでした。

 この演奏が終わると、みなさんから改めて祝意を込めた大拍手が贈られていました。

 こうして、後半は、ちびっ子のダンスから始まり、ソプラノ、そしてジャズまで、あっという間に感動と涙の時間が過ぎていきました。

 最後に、私から、「お二人をよろしくお願いします」という締めくくりの言葉を述べさせていただきました。

 また、同時に、Y君からも、参加されたみなさまへの御礼と、これからの二人の抱負が語られました。

 最初から最後まで小さな手作りのお祝いでしたが、みなさん、とても喜ばれていました。

 「とても、よかったね!」

 「そうですよ、最高の宴になりました」


 
帰りの車が出発するまで、孫の「みお」を抱っこしながら、すぐ傍の海岸を見つめていました。

 海から温かい風が吹いてきて、爽やかでした(つづく)。
mio20160615
                  しらたまちゃんの妹(MIO、筆者撮影)