心配していた天気は、それこそ奇跡的に味方してくれたようで、朝から晴れていました。

 事前の予報では、「曇りのち晴れ」でしたので、その曇りが雨に変わる恐れはないかと、心を揉ませていました。

 「今日は、気持ちのよい晴れ、雨が続いていたので、これは奇跡に近いことだね!」

 「そうですよ。よかったですね!」

 これが、早朝に来るまで出かけた時の会話でした。

 車は、式が行われる宇佐市の宇佐八幡宮へ向かいました。

 予定よりもかなり早い時間に到着しましたので、近くにある大分県立宇佐高校に出向いてもらいました。

 ここを卒業して以来ですから、じつに48年ぶりのキャンパスでした。

 校門につながる坂道を登り、玄関前のロータリーをゆっくりと周ってもらいました。

 かつては、円形状の珍しい体育館がありましたが、それは四角形に変わっていました。また、その前には、伝統の相撲部の屋根付き練習場もありました。

 そして、帰り際には校門手前の右手に石碑があり、校風の「質実剛健」の文字が見えました。

 在学中は、何度となく、このモットーを聞くことがありました。

 すでに人生を振り返るにふさわしい年月が過ぎていますので、このモットーとともに、いろいろなことを思い出させていただき、しばし感慨に耽りました。

 その後、神宮の裏手にあるモノレール乗り場に行き、本宮に上っていきました。

 この3つの本宮を拝見するのも久しぶりのことで、記憶を辿ると40年ぶりのことでした。

 この境内には、みなさんがすでに参集されており、まもなく、式が行われる会場前の控室に案内されました。

 式は、三々九度の祝杯から始まり、最後は、きれいな衣装を纏った踊りがありました。

 スローテンポで、厳かに舞う姿には、どこか奥ゆかしさがありました。

 この踊りで、私が注目したのは、その衣装でした。

 幾重もの衣装が着こなされ、一番外側の白い衣装の中に、鮮やかなピンク、赤、緑、青の内着が見え隠れし、その踊りの華やかさを演出していました。

 昔々のその昔、このような踊り子の舞を見せられた庶民は、これに驚き、さぞかし、心を打たれたのではないかと思われます。

 こうして無事、式が終わり、一同は、国東のウエディングパーティー会場に向かいました。

 また、私たちは、やや早めに出発し、途中、日出にあるケーキ屋「パニエ」において注文していた「ケーキ」を受け取りにいきました。

 30㎝四方の特注ケーキだったようで、その箱の大きさに吃驚しました。

 ここのケーキは、非常に評判がよく、何か事あるごとに、私たちもよく買いに書けます。

 ケーキについては、国内はおろか世界中のケーキを食べてきましたが、そのなかで一番と思ってきたのが、ドイツのゲッチンゲン市にある「コロン」のケーキでしたが、これに負けない、劣らない味が、パニエのケーキだといえます。

 ここにも、式を主催した当事者たちの「気配り」が現れていると思いました。

 さて、このパーティの開催場所は、国東市鶴川の海沿いにあるレストラン「舌鼓(ZECCO)」でした。

 ここは、姫島村を拠点にした著名な代議士の国東側の宿泊施設であり、和風の建物の中にモダンな洋室やピアノがありました。

 しかし、これまでウエディングパーティーが行われた実績はなく、初めてのことでしたので、オーナーシェフのNさんが心を込めた料理がなされていました。

 すでに、私たちが、この会場に着いた時には、ほとんどの方々がウエルカムドリンクを楽しまれていました。

 和風の建物における、洋風の
ウエディングパーティー、その初の手作り祝宴が始まりました(つづく)。
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国東市武蔵町にある小城山