しばらく中断していましたが、本シリーズの執筆を再開させていただきます。

 本日は、いよいよ上記の③と④の本質的に重要な特性についての検討に分け入ることにしましょう。

 少し前までは、ナノバブルについては、その数は非常に多いものであり、それが、時間的には、ほぼ一定で不変であるという見解が散見されていました。

 当然のことながら、この漠然とした特徴については、次のような疑問が示されていました。

 ➊ナノバブルの数が時間的に変化せず、変わらないということであるとすれば、どのようにして、それがナノバブルであることを証明するのか。仮に、それが仮にナノバブルでなくて、汚濁物であれば、その数が不変でもふしぎではない。

 ❷ナノバブルの数が長時間にわたって変わらないことは、それがそれだけ長きにわたって保持される、すなわちナノバブルの寿命は非常に長いということになる。

 ❸ナノバブルの寿命が非常に長いのであれば、その間においてナノバブルと周囲の液体においては、ほとんど各種の反応が起こらないことになる。その意味において、ナノバブルは、化学的に不活性という気泡ということになる。

 ❹ナノバブルが化学的に不活性な気泡であるという見解に不同意であれば、その活性作用をどのように見出し、論証できるのか。

 ❺また、活性のナノバブルをどのような方式で発生させることが可能になるのか。さらに、その活性とは、どのようなもので、その程度の強弱は、どのくらいか?
 

 その疑問は、まだまだありそうですが、このあたりに留めておきましょう。

 それでは、これらの疑問に関連して、マイクロバブルの方の③と④の問題は、どのように考えたらよいのでしょうか?
 

 まずは、再度、この③の問題に分け入ることにしましょう。

 超高速旋回式(「光マイクロバブル」ともいう)装置によって発生させられたマイクロバブルは、すぐに収縮運動を開始します。

 この運動の特徴は、9ヘルツの振動を伴いながら収縮を行うことにあり、その過程においてマイクロバブル内の圧力と温度を徐々に上昇させていくことにあります。

 常温常圧下におかれた発生後のマイクロバブルは、この振動現象を伴う自己運動を進行させ、その内部の圧力と温度を上昇させながら、その内部気体を徐々に溶解させやすくしていきます。

 このとき、マイクロバブルの液体との界面においては、振動による摩擦(液体と気体のせん断)が起こり、その内部気体をより溶解させやすくする作用も働くようになります。

 このマイクロバブルの収縮速度は、最初の過程においては遅く、中期、後期と進むにつれて、しだいに大きくなっていきます。

 この収縮速度の増大は、おそらくマイクロバブル内の圧力と温度の高まりに関係しているはずです。

 こうして、マイクロバブルは収縮してマイクロナノバブル、ナノバブルへと変化していきます。

 最後には、マイクロスコープ(800倍)画像においても消失し、これをもって「一応の溶解を遂げた」と判断してきました。

 以前は、可視化による計測限界は1㎛(マイクロメートル)とし、ナノバブルは可視化できないという判断でしたが、最近の機器によれば、この限界を簡単に超えられるようで、少なくとも数百ナノメールの気泡を可視化できることを実際に観察しています。

 さて、問題は、マイクロバブルが、どのようにしてナノバブルを生みだすのか、この解明が非常に重要になります。

 収縮過程にあるマイクロバブルは、その振動に伴う高温高圧現象によって、その界面は柔らかくなり、界面張力が小さくなって各種の変形や反応を起こしやすくなっているはずです。

 しかも、それは急激な収縮速度の増大を付随させて起こる現象であり、ここで「重要な何か」が起こっているのかもしれません。

 あるいは、その界面付近においては、液体と気体の区別ができなくなって、液体が気体のようにふるまい、気体が液体のような性質を示す世界が生まれているのかもしれません。

 ここには、大変な科学的ロマンが横たわっているように思われ、その解明が大いに期待されます(つづく)。
nejibana20160708
ネジバナ、下から見れば台風と同じ方向に回転している