熊本地震の被災の状況をテレビで拝見し、その問題を考察しているうちに、ブログ更新がやや滞ってしまいました。

 最初に被災されたみなさまに、心からのお見舞いを申し上げます。まだ、大規模な地震が続き、安心して眠れぬ夜が続いていますが、どうか、みなさんと協力されて、この災難を乗り越えていただくように念願いたします。

 また、全国からは、私どもの具合を心配しての電話をいただき、ありがたく思いました。

 ここ国東には、活断層がなく、岩盤の上に形成されていますので、先日の本震においても少し揺れる程度で済みました。

 さらに、我が家は、基礎がしっかりしていて、しかも耐震構造仕様になっていますので、問題は生じていませんので、ご安心ください。

 一方、被災地では深刻な問題がいくつも発生していて、新たな地震問題が発生しているように思われます。

 前震、本震を含めた頻発地震が今尚続いていて、その震域も拡大しています。

 活断層の延長上においては、東に伊方原発が、そして南には川内原発があります。

 すぐ近くで、大規模な地震が発生しているのに、その影響は出ていないということで運転を継続していることに問題はないのでしょうか。

 やや大きめの俯瞰の目でみれば、薩摩川内市と震度5強の地震が発生した八代市は、わずか数十kmしか離れておらず、しかも、そこに横たわっている活断層は、薩摩川内市近くまで伸びています。

 しかも、テレビ出演した若い学者は、この活断層が、一番活発になっていたという報告を行っていました。

 ここで「第二の福島原発事故」が発生すれば、日本列島には壊滅的な破局を招くことになることは、少なくない識者が指摘していることです。

 万が一、この規模の事故が起こらなくても、それを心配する多くの方々の思いの総体は計り知れないほどに大きなものです。

 それと比較すると、原発を運転する経済的メリットはわずかなものであり、被災者の不安を打ち消す安心立命策としても重要な意味を有しているように思います。

 先の大震災の折には、「想定外」という言葉がよく使用されていました。

 大津波が、「想定外」の事故を起こしたということをいいたかったのでしょうが、地震が起こると、津波が発生することは、誰もが知っていたことです。

 今回の熊本地震においては、どうでしょうか。

 今では、「前震」と呼ばれる地震が起きた時に、それに近い「余震」が起こるというアナウンスがなされていました。

 このアナウンスの内容については誰もがよく理解していることでしたので、それを受容しました。

 しかし、その2日後に、「本震」と呼ばれるより大規模な地震が発生しました。

 より大きな地震が発生したので、この「前震」、「本震」の再定義がなされました。

 この修正については、何も問題ないと思いますが、じつは、このような修正が東日本大震災のときにも行われていたようで、そのことをより明確に周知徹底しておく必要があったのではないかと思います。

 気になって、このことを調べてみると、東日本大震災においては、前震に相当する地震が起った
際に、そのご当地にある大学の教員によって、いわゆる「安全宣言」がなされたそうで、その後に、あの大地震が発生しました。

 ですから、このようなことは初めてではなく、むしろ直近の地震においても起きていたことだったのです。

 ご周知のように、東日本大震災の際には、たくさんの大学研究者や専門家と呼ばれる方々がテレビに出てきて、今では恥ずかしくなるようなことを平気で語っていました。

 「これが大学の先生か」、「専門的技術者か」と思われた方々が少なくなかったと思われます。

 ところが、今回はどうでしょうか?

 私の印象では、あまりにも、その専門家、その道の研究者の優れた見解の提示が少なすぎるのではないかと思います。

 そして、地元の大学の意見がもっと反映されることが望ましいのではないでしょうか。

 さらには、九州の大学のみなさんも含めて総がかりの英知の結集がなされる必要があるのではないでしょうか。

 この数の少なさのあまり、テレビにおける解説者は、その根拠を気象台に発表のみに依拠し、その気象台においても、科学的予測において十分ではないように思われますが、それは私の偏った見解でしょうか。

 「1週間程度、様子を見守るしかない」、このようにいっているだけではないか、そのように感じるのみで、科学的説得力に欠けている側面があるように思われますが、いかがでしょうか(つづく)。
usumursakino -0419
ハナニラの花