昨日は、教え子のMさんから送っていただいた白ワインの試飲を家族で行いました。
白ワインのよさは、その香りと飲みやすさ、赤ワインのような独特の渋みがないことにあります。
もうだいぶ前の話になりましたが、ドイツ留学の際には、この白ワインとの、よい出会いがありました。
留学先の研究所に、ビピィスさんという方がおられ、この方が大変なワイン通でしたので、ワインショップが発行しているワインリストを持っていき、どれが「おすすめ」かを、直接教えていただきました。
驚いたことに、彼は、そのワイン本にあったワインのほぼすべてについて、すらすらと説明することができました。
そのおかげで、私は、すっかり「ワイン通」になり、後は、それを実践するだけになりました。
その「にわか勉強」の成果を引っさげて、早速、街のワイン店に行きました。その勉強の成果をやや披露すると、そこの店主の態度が、がらっと変わっていきました。
「こいつは、日本人のくせに、ワインのことをよく知っているな」と、きっと、そう思ったからでしょう。
そこで、私は、本命のワインを指名しながらも、他にないかと物色を始め、そのワインカタログをめくりながら、「これもいいな」というと、その店主は、ますます喜んで、にこやかな表情になっていきました。
もちろん、このワインリストに掲載されているワインは、店頭にずらっと並んでいたワインとは違って、店の地下に保管されていたものですから、その店主にとっては大切な商品、いわば宝物でした。
彼とのやり取りをしばらく続け、頃合いを見計らって、買うことを決めていたワインを示して、「これにします」といいました。
これで、「さすが、ワイン通」と、その店主からいわれ、彼は、すぐに地下にいって、そのワインを取り出してきました。
きちんと温度管理がなされていて、冷たいワインでした。
このワイン談義を何度か繰り返したせいか、この店主とはすっかり仲良くなりました。
顔を覚えられ、「良いお客さん」になることができたというわけでした。
さて、ここでワイン談義の対象になったワインのことについても一言説明を加えておきましょう。
当時の価格でいいますと、キオスクやスーパーで売られているワインがおよそ3マルク(240円)、このワイン店で私が購入しようとしたワインの価格が10マルク(800円)前後でして、それが、どんなに高くても15マルクを超えることはありませんでした。
なぜかというと、価格が20マルク(1600円)以上のワインになると、「アウスレーゼ」という商品名になり、甘い白ワインになってしまうからでした。
ドイツワインは、そのほとんどが白ワインですが、これは、辛口、半辛口、甘口の三種類に分かれます。
この場合、甘口といってもアウスレーゼほどの甘さではなく、いわば出来立てのやや甘いワインが、そう呼ばれていました。
私は、このなかで辛口(トロッケン)が好きで、このタイプのものをよく購入していました。
さて、ワイン店における購入の話に戻りましょう。
私が、10マルク程度のワインをよく購入したという話をしましたが、それで十分美味しいワインであり、ドイツ人にとっては高級なワインだったのです。
ところが、どうでしょうか。ドイツワインを日本で購入しようとすると、すぐに3000円、4000円になってなってしまいます。
当然のことながら、仲買が、その価格を上乗せしているからです。
その後、ドイツの友人を通じて、直接、ドイツのワイン店からモーゼルワイン(*)を購入したことがありますが、その価格は、輸送費をいれても1500円程度でした。
*ドイツの三大ワイン産地は、モーゼル、ファルツ、ラインヘッセンです。なかでも、モーゼルワインはすばらしく、私のお気に入りです。
次に、フランスの白ワインについても少し触れておきましょう。
もっとも有名な白ワインは、シャブリ産です。
ブルゴーニュ産もおいしく、私が愛飲しているワインです(シャブリは、高級ワインであり、価格が高いので特別の時にしか飲むことができません)。
価格でいうと2000円弱のものです。
それから、最近飲んだ白ワインでは、チリ産の「パカパカ」があります。
これはさらに安く、たしか、その半額ぐらいの値段でした。
そこで、ここまでを前置きとして、そのある中国地方産のワインを試飲してみました。
以下は、その結果です。
①まず、飲みやすさについては、かなりの問題を覚えました。
最初に、ワイン独特の香りがあるのですが、それが変に強すぎて、「おやっ」と思いました。
これは、初めての香りといえば、そうですが、この香りが強すぎて「すすんでは飲めない」これが最初に感じたことでした。
チリ産の「パカパカ」を飲んだ時にも、これに似た香りがしていましたが、それはわずかなものでしたから、さほど気になりませんでした。
しかし、今回は、それが気になるほどの強さがありました。
②次は味の問題です。これについても、問題があると思いました。その味に特徴が認められず、その香り問題を克服するほどの特徴も認められませんでした。
これを同じ価格帯のブルゴーニュ白ワインと比較しますと、これは明らかにブルゴーニュワインの勝だと思いました。
価格が半分の「パカパカ」と比較しても、勝ち目がないという結果になりました。
これは、その国産白ワインには、かなりの改良の余地があるということを想起させることでもありました。
この違いの大元には、ブドウの違いがあると思いますが、そこからの検討がひつようではないかと思います。
ドイツワインは「リースリング」という種類のブドウが用いられていて、それがラベルにも明記されています。
このリースリングが、フランスワインとの違いで、ドイツ産にはコクがあり、フランス産はやや軽いという特徴が出てきているのだと思います。
M殿、この国産ワインには、まだまだかなりの改良の余地がありますね。
少し前の朝ドラ「まっさん」に出てきた「まっさん」のような方が、そこにも出てくる必要性があるということでもありますね。
以上が、今回の試飲の結果でしたので、報告させていただきました。
せっかくですから、この「ワイン考」、今後も機会を得て、記事にさせていただきたいと思いますので、どうか、よろしくお願いいたします(つづく)。
白ワインのよさは、その香りと飲みやすさ、赤ワインのような独特の渋みがないことにあります。
もうだいぶ前の話になりましたが、ドイツ留学の際には、この白ワインとの、よい出会いがありました。
留学先の研究所に、ビピィスさんという方がおられ、この方が大変なワイン通でしたので、ワインショップが発行しているワインリストを持っていき、どれが「おすすめ」かを、直接教えていただきました。
驚いたことに、彼は、そのワイン本にあったワインのほぼすべてについて、すらすらと説明することができました。
そのおかげで、私は、すっかり「ワイン通」になり、後は、それを実践するだけになりました。
その「にわか勉強」の成果を引っさげて、早速、街のワイン店に行きました。その勉強の成果をやや披露すると、そこの店主の態度が、がらっと変わっていきました。
「こいつは、日本人のくせに、ワインのことをよく知っているな」と、きっと、そう思ったからでしょう。
そこで、私は、本命のワインを指名しながらも、他にないかと物色を始め、そのワインカタログをめくりながら、「これもいいな」というと、その店主は、ますます喜んで、にこやかな表情になっていきました。
もちろん、このワインリストに掲載されているワインは、店頭にずらっと並んでいたワインとは違って、店の地下に保管されていたものですから、その店主にとっては大切な商品、いわば宝物でした。
彼とのやり取りをしばらく続け、頃合いを見計らって、買うことを決めていたワインを示して、「これにします」といいました。
これで、「さすが、ワイン通」と、その店主からいわれ、彼は、すぐに地下にいって、そのワインを取り出してきました。
きちんと温度管理がなされていて、冷たいワインでした。
このワイン談義を何度か繰り返したせいか、この店主とはすっかり仲良くなりました。
顔を覚えられ、「良いお客さん」になることができたというわけでした。
さて、ここでワイン談義の対象になったワインのことについても一言説明を加えておきましょう。
当時の価格でいいますと、キオスクやスーパーで売られているワインがおよそ3マルク(240円)、このワイン店で私が購入しようとしたワインの価格が10マルク(800円)前後でして、それが、どんなに高くても15マルクを超えることはありませんでした。
なぜかというと、価格が20マルク(1600円)以上のワインになると、「アウスレーゼ」という商品名になり、甘い白ワインになってしまうからでした。
ドイツワインは、そのほとんどが白ワインですが、これは、辛口、半辛口、甘口の三種類に分かれます。
この場合、甘口といってもアウスレーゼほどの甘さではなく、いわば出来立てのやや甘いワインが、そう呼ばれていました。
私は、このなかで辛口(トロッケン)が好きで、このタイプのものをよく購入していました。
さて、ワイン店における購入の話に戻りましょう。
私が、10マルク程度のワインをよく購入したという話をしましたが、それで十分美味しいワインであり、ドイツ人にとっては高級なワインだったのです。
ところが、どうでしょうか。ドイツワインを日本で購入しようとすると、すぐに3000円、4000円になってなってしまいます。
当然のことながら、仲買が、その価格を上乗せしているからです。
その後、ドイツの友人を通じて、直接、ドイツのワイン店からモーゼルワイン(*)を購入したことがありますが、その価格は、輸送費をいれても1500円程度でした。
*ドイツの三大ワイン産地は、モーゼル、ファルツ、ラインヘッセンです。なかでも、モーゼルワインはすばらしく、私のお気に入りです。
次に、フランスの白ワインについても少し触れておきましょう。
もっとも有名な白ワインは、シャブリ産です。
ブルゴーニュ産もおいしく、私が愛飲しているワインです(シャブリは、高級ワインであり、価格が高いので特別の時にしか飲むことができません)。
価格でいうと2000円弱のものです。
それから、最近飲んだ白ワインでは、チリ産の「パカパカ」があります。
これはさらに安く、たしか、その半額ぐらいの値段でした。
そこで、ここまでを前置きとして、そのある中国地方産のワインを試飲してみました。
以下は、その結果です。
①まず、飲みやすさについては、かなりの問題を覚えました。
最初に、ワイン独特の香りがあるのですが、それが変に強すぎて、「おやっ」と思いました。
これは、初めての香りといえば、そうですが、この香りが強すぎて「すすんでは飲めない」これが最初に感じたことでした。
チリ産の「パカパカ」を飲んだ時にも、これに似た香りがしていましたが、それはわずかなものでしたから、さほど気になりませんでした。
しかし、今回は、それが気になるほどの強さがありました。
②次は味の問題です。これについても、問題があると思いました。その味に特徴が認められず、その香り問題を克服するほどの特徴も認められませんでした。
これを同じ価格帯のブルゴーニュ白ワインと比較しますと、これは明らかにブルゴーニュワインの勝だと思いました。
価格が半分の「パカパカ」と比較しても、勝ち目がないという結果になりました。
これは、その国産白ワインには、かなりの改良の余地があるということを想起させることでもありました。
この違いの大元には、ブドウの違いがあると思いますが、そこからの検討がひつようではないかと思います。
ドイツワインは「リースリング」という種類のブドウが用いられていて、それがラベルにも明記されています。
このリースリングが、フランスワインとの違いで、ドイツ産にはコクがあり、フランス産はやや軽いという特徴が出てきているのだと思います。
M殿、この国産ワインには、まだまだかなりの改良の余地がありますね。
少し前の朝ドラ「まっさん」に出てきた「まっさん」のような方が、そこにも出てくる必要性があるということでもありますね。
以上が、今回の試飲の結果でしたので、報告させていただきました。
せっかくですから、この「ワイン考」、今後も機会を得て、記事にさせていただきたいと思いますので、どうか、よろしくお願いいたします(つづく)。
広重東海道義十三次 四日市 三重川
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さて、小生もワインについて、少しウンチクが語れるように勉強しなければなりませんね。自宅の隣にIオンがあり、そこには、当然のごとくワインコーナーがあります。おそらく、1日1本飲んだとしても1年では飲みきれないほどのワインが設置されております。
一般的に、女子はポルフェノール?を含む「赤」を好んで飲む傾向があるように思われますが、小生におきましては、断然「白派」であります。
地方創生。磁場産業の活性化。まずは、地方の安物をいかに高級品にするか、ご支援方よろしくお願いします。