昼ご飯を済ませて、再び、病院施設Nに向かいました。

 「少し、途中で立ち寄る時間がある?」

 「ありません」

 つれない返事でした。

 「そう?『もち吉』に寄りたいのだけど・・・」

 こういうと運転手の態度が、がらりと変わりました。

 そこに好物のものがあったからでした。

 ここで、短時間に、私も好物の「おかき」を少しばかり買いました。

 施設Nでは、午後から始まる高齢者向けの教室の準備が始まっていました。

 これまで何回か、この教室に参加させていただき、私どもも、高齢者を対象にしての生活リハビリ実験を行ってきました。

 「今回は、装置をバージョンアップして、より効き目があるようにしてきましたよ!」

 すでに、勝手知ったる様子で、4人の女性高齢者のみなさんが、私どもの装置を、とてもうれしそうに使用されていました。
 
 また、15時からは、ある著名なマッサージ療法の先生が来られ、私どもの装置の療法の体験をしていただきました。

 どうやら、この先生は、とても知覚神経が鋭く、すぐに、その装置の作用効果と優秀性を認識され、とても感嘆されていました。

 その後、先生のご好意で、直に、そのマッサージをしていただきました。

 このマッサージ法は、ほとんど力を用いずに、服の上を擦るように撫でていくだけでした。

 それでも、その効果が徐々に出てきて、身体が熱くなっていきました。

 そして、心地よくなり、さらには眠気が増してきて、夢心地の気分になっていきました。

 この過程は、マイクロバブルと非常によく似ていました。

 また、そのマッサージが終わったあとも、そのぽかぽかが続き、おもしろいことに、その気分のよさで、あたまが「ぼーっ」となり、しゃべることまで億劫になりました。

 この点は、マイクロバブル入浴とやや違っていて、おそらく脳への作用の仕方が異なっていることかな、と思いました。

 「おそらく2週間ぐらいは、その状態が続きますよ」といわれたのですが、残念なことに、その残存状態はセミナーの準備で、ほぼ、かき消されてしまいました。

 とても、有益な体験的学習をさせていただきました。

 先生をはじめ、関係者のみなさまに厚く御礼申し上げます。

 こうして、すべての日程を終え、夕方、暗くなってから病院施設Nを出ました。

 「まだ、『ふじ屋』は開いてますかね?」


 「大丈夫だと思うよ、予約をしておきましょうか?」

 「そうだね、よろしくお願いいたします」

 車中から電話をして、「骨なし唐揚げ」1㎏の注文がなされました。

 中津・宇佐は、唐揚げの名物店が多く、なかでも「ふじ屋」は、一番お気に入りの店です。

 その味が、おふくろが作っていた味とよく似ているからです。

 ですから、ここの揚げたての唐揚げを車中で食べるのが、いつのまにか定番になってしまいました。

 熱々でさくさく、私を含めて3人が、その唐揚げを、共に3つずつ夢中になって食べました。

 「これを食べると、中津に来たかいがあったと思うよね!」

 一同、これには文句なく賛同、楽しい帰りの車中のできごとでした(この稿終わり)。
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雪が解けた小城山