新年、おめでとうございます。

 雲ひとつない快晴、暖かくて穏やかな正月元旦です。

 昨年は、大分県国東に移り住んで4年目、ようやく、こちらにおいても根が生えてきたようで、それらがいくつか実を結び始めました。

 とくに、先月においては、思わぬ出来事や出会い、そして準備してきた成果も得ることができ、それらが、1年のよい締めくくりになりました。

 それらについては、昨日までの記事(「2015年を振り返って(1)~(2)」において、その紹介が始まってしますので、それに収まらない部分は、今年になっての続編において補足する予定です。

 さて、本年は、2012年4月に、ここ大分県国東市に来てからの3年余の成果を踏まえて、とくに、昨年末のいくつかの実績に刺激されて、小さくない発展的展開が期待されるのではないかと推察しています。

 その第1は、マイクロバブル技術の粋を集めての世の中と人々が切に求める新たな商品を世に問うことです。

 すでに、この取り組みにおいては、かなりの研究開発とそれに基づく検討がなされてきました。

 かつての高度成長期のテレビや洗濯機、冷蔵庫のように、日本の産業とともに、国民の生活様式を大きく変えてしまう商品開発のあり方が真に問われることになるでしょう。

 第2は、マイクロバブルおよびナノバブルの研究を総合的に発展させることです。

 とくに、これは、昨年末において参加した学会で痛感したことですが、決して小さくない社会的期待が寄せられているにも関わらず、その学問的発展が必ずしも十分ではない、ここに現段階における本質的な側面が存在しているように思われました。

 今後、どう、その本質的な科学技術的世界を切り拓いていくか、その具体的実践がますます必要であるように思われます。

 第3は、ますます衰退と危機を迎えている地域の問題を、どう打開していくのか、この課題がますます問われることになるでしょう。

 目の前の地域においては、働きたいと思っても働く場所がない、問題を解決したいと長い間追究してきたけれども、その展望が得られない、ますます乏しくなってきている、地域から中央を変えていきたいと思っているが、その具体的方法が見つからない、日々、このような事例に出くわします。

 それらは、これらの地域の否定的事柄を犠牲にして、中央のごく一部が利潤や特権を得ることで、その格差がますます拡大し、極地に向かっていることに見事に反映されています。

 この打開を可能にしていくには、私の「国東お魚便」のように、その死角を突破していく必要があります。

 地域に残存している豊かな「地域産業資源」を最高度に活用できる知恵と工夫によって、その打開法を実践的に解決していくことが求められています。

 その際、その「鬼」に「金棒」を持たせることが重要です。

 その金棒とは、新しい「知恵と工夫」、すなわち新技術のことです。

 この金棒を持つこと、さらにはそれを振り回すことができれば、その鬼たちは、まだまだ存分に活躍することができます。

 これこそ、地域の経済を再生させ、自立させる可能性を有しています。

 第4は、それを地域に留めず、地域から日本社会へ、そして徐々に世界へと広げていくことです。

 昨年の後半には、二人のノベール賞受賞という嬉しい出来事がありました。

 このお二人に共通していたことは、かれらが地方大学の出身者であり、そこでの真剣でまじめな学問的研鑽を重ねられ、一歩一歩とその地位を粘り強く確立されてきたことでした。

 その科学の力が、地域を飛び出し、世界へと、その普遍的成果を生み出していきました。

 重要なことは、その一歩一歩によって、かれらの科学的成果の基盤が形成され、そこに優れた新発見が積み重ねられてきたことにあります。

 そして、最も注目すべきことは、かれらには、それを遂行していく「粘り強さ」があったことでした。

 ここには、みごとなまでの科学と技術に関する「ブレイクスルー」が存在しています。

 この微生物から動物へ、そしてヒトから宇宙に関するブレイクスルー、これこそ私たちが学ぶべきことではないでしょうか。

 これらがみなさんにとっても良い刺激となり、新たな年がおもしろくて、ゆかいに展開していくことを切に祈念いたします。
akaikiku-1229
紅い菊