名画「東京物語」においては、主人公の学者の友人二人との会話のシーンがあります。
東京にやってきて会いたい、旧交を温めたいと思ったようで、その二人との会話がかなり詳しくなされています。
この友人の二人は、花の東京で仕事を成功させようとしたのでしょう。
しかし、それも上手くいかず、「そんなに甘いことではなかった」という彼らの現実に基づく話が紹介されます。
その主人公も、かれらの現実を知らされ、それによって刺激や激励を受けることはありませんでした。
すなわち、自分の息子や娘たちと同様に、厳しい東京での生活ぶりが、その友人たちとの会話によって浮き彫りにされていきます。
そんななかで、名女優の原節子演ずる息子の嫁の親身な対応、心温かしもてなしが際立ってきます。
子供や孫、そして旧友たちとも、心を開くことができず、唯一、息子の嫁の親切にありがたさを感じることができたのでした。
さて、私の場合も、東京において何人かの友人と「語り合う」機会を持つことができました。
上京前においては、せっかくだから、何人かの旧知の友人を訪ねて、再会を楽しもうかと思いましたが、それはすべて取りやめ、最低人数の3人に絞り込みました。
なぜなら、前半のハイライトであった学会での講演準備にかなりの労力を費やしていましたので、その回復と休養に時間が必要だと思っていたからでした。
これは、その予想の通りであり、12日に、東京から甲府へ、13日に甲府・東京の往復、そして14日に、同じく甲府・東京の往復を行い、それだけでしたが、久しぶりに疲労困憊状態に陥ることになりました。
さて、友人との面談の最初はXさんでした。かれとは、かなり前から一度会ってよく話を詰めましょうという約束をしていましたので、ご足労ですが上京していただき、何年ぶりかで再会することになりました。
面会場所は、新宿南口から出たところにある小田急サザンタワーの九階、ここに手ごろな日本料理店に案内されました。
かれと食事をしながら、積もる話をいくつもさせていただき、その際に当方の新たな試みも紹介させていただきました。
かれの優れたところは、業界を熟知し、常に新たな動きを見出すことに敏感であることにあり、こちらも、それに応えて、その後の新たな成果を示すことで、とても喜んでいただきました。
ここから、話が弾み、第1段階、第2段階、さらには、第3、第4の段階に及ぶ夢のような展開を繰り広げることになりました。
「今日は、Xさんと会ったけど、あの映画の『東京物語』とは、だいぶ違っていたよ!」
「そうですか、どこが違っていたのですか?」
「映画では、その東京の友人が、自分の仕事の事情を語るだけで、主人公は、それを聞いてかれらの厳しい現実を知らされ、そこには自分が分け入る余地がないことを悟る、ここには、未来につながる話がほとんどない」
「『東京物語』では、そうでしたね」
「ところが、こちらは、これからの話ばかりで、過去の話は、そのためにあった。まったく、逆のことが起きていたよ」
「もう一人の方とは、どうだったのですか?」
「そうだね、これを話し出すと長くなるね!」
つづく。
東京にやってきて会いたい、旧交を温めたいと思ったようで、その二人との会話がかなり詳しくなされています。
この友人の二人は、花の東京で仕事を成功させようとしたのでしょう。
しかし、それも上手くいかず、「そんなに甘いことではなかった」という彼らの現実に基づく話が紹介されます。
その主人公も、かれらの現実を知らされ、それによって刺激や激励を受けることはありませんでした。
すなわち、自分の息子や娘たちと同様に、厳しい東京での生活ぶりが、その友人たちとの会話によって浮き彫りにされていきます。
そんななかで、名女優の原節子演ずる息子の嫁の親身な対応、心温かしもてなしが際立ってきます。
子供や孫、そして旧友たちとも、心を開くことができず、唯一、息子の嫁の親切にありがたさを感じることができたのでした。
さて、私の場合も、東京において何人かの友人と「語り合う」機会を持つことができました。
上京前においては、せっかくだから、何人かの旧知の友人を訪ねて、再会を楽しもうかと思いましたが、それはすべて取りやめ、最低人数の3人に絞り込みました。
なぜなら、前半のハイライトであった学会での講演準備にかなりの労力を費やしていましたので、その回復と休養に時間が必要だと思っていたからでした。
これは、その予想の通りであり、12日に、東京から甲府へ、13日に甲府・東京の往復、そして14日に、同じく甲府・東京の往復を行い、それだけでしたが、久しぶりに疲労困憊状態に陥ることになりました。
さて、友人との面談の最初はXさんでした。かれとは、かなり前から一度会ってよく話を詰めましょうという約束をしていましたので、ご足労ですが上京していただき、何年ぶりかで再会することになりました。
面会場所は、新宿南口から出たところにある小田急サザンタワーの九階、ここに手ごろな日本料理店に案内されました。
かれと食事をしながら、積もる話をいくつもさせていただき、その際に当方の新たな試みも紹介させていただきました。
かれの優れたところは、業界を熟知し、常に新たな動きを見出すことに敏感であることにあり、こちらも、それに応えて、その後の新たな成果を示すことで、とても喜んでいただきました。
ここから、話が弾み、第1段階、第2段階、さらには、第3、第4の段階に及ぶ夢のような展開を繰り広げることになりました。
「今日は、Xさんと会ったけど、あの映画の『東京物語』とは、だいぶ違っていたよ!」
「そうですか、どこが違っていたのですか?」
「映画では、その東京の友人が、自分の仕事の事情を語るだけで、主人公は、それを聞いてかれらの厳しい現実を知らされ、そこには自分が分け入る余地がないことを悟る、ここには、未来につながる話がほとんどない」
「『東京物語』では、そうでしたね」
「ところが、こちらは、これからの話ばかりで、過去の話は、そのためにあった。まったく、逆のことが起きていたよ」
「もう一人の方とは、どうだったのですか?」
「そうだね、これを話し出すと長くなるね!」
つづく。
露地栽培の菊
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