昨日は、朝7時の甲府駅発の高速バスで羽田へ、9時半には第2ターミナルに到着、この間2時間半でしたので思いのほか早く着いて、このバス便もなかなかよいなと思いました。

 すぐに搭乗手続きを行ない、運よく10時20分の便が取れたので、お土産品を買う時間もなく、すぐさま搭乗することになりました。

 そして大分空港には、12時5分に到着、12日間の長い旅でした。

 今回は、最初に「おめでた」の面会、学会での講演、知人との面談、東日本大震災緊急プログラム責任者の事後評価会などがあり、それなりに実りの多い出張となりました。

 また、しらたまちゃんとその妹二人とも触れ合う機会を得て、疲れを癒すこともできました。

 そして、上記の「おめでた」があったことから、家内も同伴していましたので、この間、二人しての「東京物語」を経験することができました。

 折しも、直前にはBS番組で小津安二郎の名作「東京物語」を二人して見ていましたので、その会話において、この「東京物語」のシーンに因んだ会話がいくつも出てくることになりました。

 周知のように、この映画は巨匠小津の代表作であり、今見ても、それが色あせることはなく、時代に対応しているすばらしい作品でした。

 主人公の笠智衆が演じた役は定年後の学者であり、その身分は私と同じです。

 その夫婦が、東京の子供達のところに旅行に出かけて体験する親子の物語です。

 その長男は医者を開業し、長女は美容室、三男は亡くなって、その未亡人が会社員として働いていました。

 また、次男は大阪でJRに勤めていました。

 いずれも、みな仕事が忙しく、親への対応が丁寧にできず、親としては、どこか違和感を覚える思いがしていました。

 そんななかで、最も親身になって接してくれたのが、原節子演ずる未亡人でした。

 東京という巨大な大都会が、その夫婦の子供たちを変えてしまい、そのことが親子の絆のはかなさを浮き彫りにさせていくという小津の狙いが、鮮やかに示されていました。

 この映画のなかで、「子供か、孫か」、どちらがかわいいかを友人から尋ねられるシーンがありました。

 ここで、その元学者の主人公は、「もちろん、子供である」と答えます。

 ここには、小津の狙いがあり、なつかない孫たちが登場し、やはり親しみを感じるのは子供であるという感情を沸かせるシナリオになっています。

 同じ問題を尋ねられたとしますと、私は、主人公の回答とは違う、「孫」を選びます。その選択をすることで子供たちも喜ぶ、これが今の社会通念ではないかと思います。

 しかし、小津は、そうではない価値観を持ちだして、親は、子に強い思いを寄せ、逆に、その子は親のことを、それほど大切には思っていない、子の相反を鮮やかに浮き彫りにしたかったのだと思います。

 「ここは、東京物語とはちがうね」

 「そうですよ、やはり孫の方が可愛いですよ!」

 「やはり、そうだよね。赤ん坊から触れ合ってきたから、そこが、あの夫婦とは違うよね」

 「子供の方も、あの映画とはだいぶ違いますよ」

 「そうだよね。今回の東京行きでの最初のイベントは、『おめでたい』話だったから、ここも違うね」

 「そうですよ、あの映画のように壊れていく話ではなく、結ばれる話ですから、別の東京物語ですよ」

 これは、東京駅から甲府に向かう特急「かいじ」のなかで交わした会話でした。

 さて、翌日は、朝早く甲府駅を出て、お茶の水の明治大学に向かいました。この時の様子は、すでに詳しく紹介させていただいておりますので、ここでは、最も重要なことを一言述べるに留めます。

 「私が開発した超高速旋回式マイクロバブル発生装置から発生したマイクロバブルとマイクロバブル水には、優れた物理化学的特性が認められ、それを最高度に活かすことでマイクロバブル技術の成功が得られる可能性が高まる」

 つづく。
rabennda--1
今が見ごろのラベンダー