Nさん、Tさんとの入浴談義は、さらに進行し、いよいよ佳境に入っていきました。

 
Q9:強塩酸と水道水のマイクロバブルのお風呂が、同じ効果をもたらすというのですか?それは、ちょっと信じがたいことですね。

 A9:私も、初めて、そのデータを見させていただきたときには、そのような思いでした。しかし、その後別の角度から検討してみると、そのような共通性があってもふしぎではないと思えるようになりました。

 Q9:そうですか?どう考えても摩訶不思議としか思えませんが・・・。

 A9:まず、マウス段階の実験において、この知覚神経刺激に関しては、玉川温泉水とマイクロバブルの水道水の結果がほぼ同じであることが明らかになりました。おそらく、知覚神経の度合いが、塩酸水とマイクロバブル水道水で、ほとんど同じであったのではないかと推察しています。
 
 Q9:ヒトに関してはいかがでしたか?

 A9:もちろん、ヒトにおいても実験を行いましたが、最初の実験においては結果がばらばらで、実験条件をよく整えてから試験を実施する必要性があることが明らかになりました。今思えば、マイクロバブル入浴に慣れているかどうか、この問題も大きかったのではないかと思っています。

 Q9:そうですか、残念ですね。

 A9:そ通りです。しかし、私自身については、非常によい結果が出ていました。当時、私は56歳でしたが、26歳の娘の結果と成長ホルモンの出具合が同じだというデータでした。 

 Q9:その成長ホルモンとは、なんですか?

 A9:それは、「インスリン様成長因子1(IGF‐1)」と呼ばれる物質です。これは、成長ホルモンの一種で、生物が成長するときに肝臓で生まれる物質です。 

 Q9:肝臓で生まれるのですか?

 A9:そうですよ。肝臓では血液が作られますので、肝臓を通じて血液に中にも流れ込み、身体の全体にも、この物質が流れて蓄積されていきます。

 Q9:すべての内臓に流れていくのですか?

 A9:そうですよ。胃や腸、そして皮膚にも蓄積されます。

 Q9:そのIGF-1が増えると、どうなるのですか?

 A9:ヒトの成長は、女性の場合は14歳、男性の場合はたしか17歳でピークを迎えます。すなわち、その年齢の時に最もよく成長します。この時に、成長ホルモン(IGF-1)が最も多く出てくるのです。

 Q9:ということは、先生のIGF-1の量が26歳の娘さんと同じだったということは、どう考えたらよいのですか?
 

 A9:簡単にいえば、30歳だけ若返ることができたということですよ。これは、私にとっては、すばらしい朗報となりましたので、その後に、小さくない元気を与える結果になりました。人間というものは単純ですね。

 
Q9:それは、私だって嬉しいことですよ。娘と同じということであれば、飛びあがるほどの嬉しさですよ。

 A9:やはりそうですか。マイクロバブルのお風呂に入っていると、なんだか、その実感が湧いてくるのですよ。これもふしぎですね。 

 この談義は、さらに深まっていきました(つづく)。
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                 山梨県甲府市にある武田神社の紅葉