講演において、冒頭にマイクロバブル発生装置の説明を行った理由には、次の2つがありました。

 ①毎秒500回転前後の速度で、気液二相流体を旋回させることに寄って、その境界面付近において強力な摩擦現象を発生させる。

 ②装置中心部において負圧の気液旋回空洞部を形成させる。


 今振り返ってみても、このマイクロバブル発生法には、他の発生方式にはない、独特の優れた特徴を見いだすことができます。

 ①では、強力な静電摩擦の結果として、静電分極作用が生起され、それが、マイクロバブルの特徴付けに重要な役割を果たしています。

 ②では、発生後の収縮の引き金となるマイクロバブル内の負圧現象が生起されます。

 この圧力はマイナス0.06MPa程度であり、この負圧を有するマイクロバブルが常圧環境下で発生させられることから、その発生直後から、その正圧の影響を受けて収縮が開始されます。

 後述するように、この収縮運動の発展過程が物理化学的に非常に重要な効果を生みだすのです。

 おそらく、この負圧の程度よって、その後のマイクロバブルの収縮の速度が異なってくると思われることから、この負圧をより低圧にすることができるかどうか、これが非常に重要なことになります。

  1995年に、現在のM1型およびM2型マイクロバブル発生装置を発表して以来、約20年間においてさまざまなマイクロバブル発生装置が、日本社会に出現していますが、この超高速旋回式マイクロバブル発生装置は、それが特許において防御されていますので、独自の装置としての用途の拡大がなされてきました。

 同時に、世界32カ国において特許を主としてきましたので、これがある意味では、最初の世界標準的な役割を果たしてきました。

 また、この特許取得が、わが国発のオリジナル技術として世界に影響を与えっ続けていることから、本技術の基盤形成が国内外でなされてきたことについては、今後も小さくない注目を与え続けることでしょう。

 しかし、同時に、マイクロバブル発生装置に関しては不断の開発が重要であり、その努力が継続してなされる必要があります。

 今後も、マイクロバブル発生装置の高性能化、小型化、新概念の新たな開発を行うことが求められ続けることでしょう。

 ひょっとしたら、これまでのマイクロバブル技術の根底を覆すほどの新技術が出現してくることが切に期待されます。

 若手研究者のみなさん、どうか、新発生装置を開発することに果敢に挑戦されてください(つづく)。
sinngennjinnjamaedouro
  甲府市の武田神社の前の通称「信玄道路」、信玄は城を造らず、この天然の要塞で敵を防御、攻撃できると判断したようです。