地域に根ざした技術づくりは、地域に根ざした高専づくりの柱をなすものでした。

 そのためには、地域のことを知っておく必要があり、それが大分県の各地域を周って、地域の事情を直に確かめることでした。

 県南の佐伯、津久見、そして県都の大分市と周り、その視察は地元国東市でも開始されました。

 その第1は、国東高校ビジネス園芸科において、海トマト(塩分加味で糖度をあげる)の栽培が行われていましたので、この支援をさせていただきました。

 塩分(海水)の投入は、そのストレスで糖度をあげる側に作用しますが、一方で根を傷めるという二律背反の問題があり、この根本問題の解決が求められていました。

 そこで、この栽培水槽にマイクロバブルが適用されました。

 その結果は良好で、マイクロバブル投入後の1日目で、トマトの葉の艶や勢いが変わったという栽培担当の先生の感想が寄せられました。

 もちろん、根の成長は抜群で、それがトマトの結実にも重要な役割を果たしました。

 国東高校の調査では、リコピンとビタミンCの量が3割アップしたという結果も寄せられました。

 また、この海トマトの皮他の硬さの問題も改善され、水分豊富な柔らかいトマトができて、東京での販売先からは、その海トマトを増産してほしいという要望も寄せられるほどでした。

 今年になって、㈱ナノプラネット研究所を訪問する方が徐々に増え、それらの方々を中心にマイクロバブルのことを勉強したいという要望がありました。

 せっかくのことだから、きちんとした勉強会をやりましょうか。

 これが、第1回マイクロバブル特別セミナーでした。

 この4月の発刊されたマイクロバブルの専門書において執筆した内容を中心に、5回にわたってのセミナーが開催されました。

 会を重ねるうちに、飛び入りの方々が増えていきました。

 毎回、みなさんが熱心に討議をしましたので、予定の2時間をあっという間に過ぎて、3時間、4時間の勉強会となりました。

 --- そうか、地域のみなさんには、革新的技術のことを知りたい、理解したいという基本的な要望が要望があるのだ!

 これが、この特別セミナーにおいて再認識させられたことでした。

 この国東において、「地域に根ざした技術づくり」を実践するには、それを担う「人づくり」も同時に行う必要があったのです。

 折しも、大河ドラマでは、吉田松陰のことがクローズアップされていましたので、松陰の人の育て方、松下村塾が発展した理由について検討し、それらを、ここで適用する必要があることを悟りました。

 こちらに来て4年目の歳月が流れてきましたが、ようやく、地域に根ざすことにおける準備期間が終わり、それが少しずつ芽吹いてきたようです

 何事も粘り強く、コツコツと、そしてゆかいに進めていくことが大切ですね(つづく)。

rabennda-seiji20151031
ラベンダーセージ