第4回マイクロバブル研究会において、非常に重要だったことは、マイクロバブルの植物活性がさまざまに発揮された事実を踏まえて、建設的な議論が積み重ねられたことでした。

 たとえば、この国東の地元では、前回も指摘したように「七島イ」問題が重要になっています。

 せっかく、国連から「世界農業遺産」として認定されたにもかかわらず、一番大切な生産量を増やすこと、そのための革新的な栽培法が見出されていないこと、ここでの根本的な解決がなされていないこと、ここに本質問題が横たわっています。

 そこで、みなさんの意見を踏まえて、この問題をやや深く分け入ってみることにしましょう。

 現状は、10名に満たない七島イ生産農家しかいません。

 年々、この農家数が減少し、しかも高齢者がほとんどであり、その継承を含めてきわめて危うい状況を迎えています。

 この状況を関係者のみなさんから聞かされ、私が最も重要な問題として認識したのは、そこに近い将来を含めての展望を、みんさんがほとんど持っておられないことでした。

 それは、なぜでしょうか?

 その理由の第1は、現在の生産量が圧倒的に少ないことにあります。

 現状は、わずかに年間3000枚です。

 その最盛期には、年間500万枚もありました。

 全国から、かなり多い需要の声があるにもかかわらず、圧倒的にその生産量が少なすぎるのです。

 1反(1000㎡)あたりの生産量は約300枚ですから、総延べ栽培面積は10反程度ということになります。

 その第2は、この栽培農家が、なぜ増えないのかという問題です。

 それは、七島イ栽培が、1)難しい、2)天候に左右され、安定的生産ができない、3)体力的にきつい、4)採算性に乏しい(十分な収入が得られない) 、5)七島イの品質のよさが広く知られていない、などにあるように思われます。

 これでは、新たに若い方々が参入しようと思っても、なかなかできないのではないかと思います。

 ここで思い出すのは、あの有名な耶馬渓の「青の洞門」の話です。

 主人公の禅海和尚さんが、耶馬渓を音連れ、通行人の方々が危ない崖の上を通っているのを見て、これを根本的に解決するには、「ここにトンネルを掘るしかない」と決意され、実際に、そのトンネルを独りで掘りはじめたのです。

 今日の七島イをめぐる状況と、この「青の洞門」物語がよく似ています。

 七島イ絶滅の危機を迎えながら、それを根本的に解決しようとする動きがない、生まれない、ここに本質的問題があります。

 少ない方々が、その危機を認識しながら、そこに根本的な解決法が見いだせない、真正面から、その問題を解決しようとする動きが根付かない、このような状況があるのだと思います。

 「この状況を、なんとか解決しようとする動きはないのでしょうか?」

 「わずかですが、若い方が決意をなされ、それに取り組んでおられます。しかし、苦労をされているようです」

 「ほかには、どんな取り組みがありますか」

 「若い方が、七島イ工芸の運動を地道に続けられています」  

 「それは大切なことですね。とにかく、七島イのすばらしさを多くのみなさんに知っていただくことも重要ですね」

 「七島イの二毛作が可能か、を研究されているようです」

 「それは興味深い取り組みですね。単純に考えれば、それが可能になれば生産量が二倍になるのですから、それは画期的な出来事になりますね」

 そこで、会では、この二毛作問題が集中的に議論されることになりました。

 次回は、そのことについて報告させていただきます(つづく)。
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           七島イが栽培されている様子(2013年6月16日、筆者撮影)