国東市の安岐港にある魚の競り市場に通い始めて3年余になります。

 我が家からは、車で7、8分にところに、この安岐港があります。

 いつも、9時15分に家を出て、その市場には約5分前に到着し、9時30分の開始まで、水揚げされた魚をしばし眺めることを楽しんでいます。

 この競りは国東漁協によって運営され、その競りは、そこに登録された魚屋さんなどの業者によって実行されています。

 私たち民間人は、この業者によって競りで落とされた魚を箱ごとに買うことができます。

 その際、私どもが購入する魚の値段は、業者によって、その加算額が異なっており、それが2割あるいは3割であったりします。

 ですから、欲しい魚があると、それが、どの業者によって競り落とされるかも、少なくない関心事になっています。

 「この魚は、2割アップの業者に落としてもらいたい」

 こう思いながら、それが実現されると、すぐに、その値札を確保することで、最終的に、その魚を買う権利を確保することになります。

 これまでにも、シリーズ「国東の食環境」において、そのような手続きで購入した魚を紹介してきました。

 これらは、そのほとんどが、豊後水道を北上してきた潮で育った魚ですから、今や大変なブランドとなってしまった関サバ、関鯵に近いものばかりです。

 これらが、新鮮なままで水揚げされてくるのですから、その美味しさは抜群で、その質も量も、抜群に優れたものばかりです。

 また、そのサイズが小ぶりであっても、その美味しさに違いはなく、しかも、それが格段に安く買えるのですから、その「安くて豊か」の度合いには、たしかに目を見張るものがあります。

 ほぼ、毎週土曜日、そして臨時にお客さんを迎えるとき、さらには、私が魚を食べたくなったときには、ここに通うようになり、それだけ、この国東安岐港の魚事情にも通じて、徐々に詳しくなっていきました。
 
 そして、そのことに関して、魚の特徴を調べ、味を評価するようになり、この国東の海の幸の豊かさをますます認識するようになりました。

 その結果、ここには、よそにない、特別の豊かさがあるのではないかと思うようになりました。

 それを、「安くて豊か」であるという言葉で表すことにしました。

 下記の写真には、1枚26円のえぼ鯛の刺身と大葉が示されています。

 関東地区においては、えぼ鯛は、鯵と同じように一夜干しにされることが多いようで、刺身では食べたことがない方が多いようです。

 それゆえ、関東の方々にとっては、この1枚26円の刺身が、「安くて豊か」を理解するのに、格好の事例となるようです(つづく)。

えぼ鯛の刺身と大葉
        えぼ鯛の刺身(関東では、刺身状態ではほとんど食べることができない)