植物に強く思いを寄せる,大きな期待を持つ,このようなことは,私の人生において,かつてなかったことです.

 それは,病気の友人が元気だったころに交わしていたメイルに端を発しています.

 「たった1本のヘチマが,ハウスの下にはったネット上を這い,その空間を独占してしまいました」

 「そうですか,それはすばらしいですね.そうであれば,東京のビルの屋上などにも,そのヘチマを植えることができますね」

 「もちろん,それは可能ですよ!きっとすばらしい緑の木陰ができるでしょうね」

 「それは,すばらしいことですね.ヘチマの木陰で,屋上やベランダの温度を下げることができますか?」

 「できますよ.おそらく,多くのみなさまが協力してくだされば,かなりの効果が生まれるのではないかと思います.なにしろ,ヘチマの成長力はすばらしく,たくましい,これならいけるかもしれませんね!」

 「わたしも,ヘチマを育てて試してみたいですね!」

 「ぜひお願いいたします.今年は,互いにヘチマを育てて,それについの情報交流を行いましょう」

 こんな約束をしていましたので,今年は春から,ヘチマの苗を探してきました.
 

 ところが,この苗がなかなか見つからず,共に困っていました.

 「なかなか,苗が出てきませんね」

 「じつは,こちらでも探しているのですが,ヘチマの苗が見つかりません」

 とにかく,足しげく,いつも苗を買う2つのホームセンターに行っては,その苗を探しているうちに,近くの高校のビジネス園芸科の祭りがあり,そこに苗を売っているという案内があり,早速,苗を買いに行き,6つを確保することができました.

 これで,ヘチマ作戦がようやく始まることになりました.

 昨年の教訓では,その1本で,約2坪のネット上はヘチマの葉っぱで覆われてしまいましたので,この空間は,その1本で満杯になってしまうはずです.

  ーーー そうすると他の5本は,どうするか.彼らが張り出して活躍する場所を作ってやらないと,この作戦はたちまち行き詰ってしまいます.

 ーーー どうしようか?

 結局,あれこれ考えた末に,新たにヘチマが進出できる空間を作るしかないという結論に達しました.

 さて,問題は,その空間をどこに確保するか,まず場所を確保することから検討しました.

 我が家の中庭は,約50㎡の広さがあります.とても広い中庭ですが,その4分の3が,すでに野菜づくりのために設置したハウスで埋まっています.

 ーーー 新たに作るとしたら,この残りの空間を利用するしかない.これを実行すると,この中庭はすべて埋まってしまうことになる.果たしてそれでよいか,家族に尋ねてみることにしました.

 そこで,みんなの賛同を得て,その「ヘチマ回廊」作戦を開始することが決まりました.

 「その回廊を造る材料がないでしょう.どうするのですか?」

 「たしかに,そうだね.探してみるよ!」

 こう答えて,「良いのが見つかるかな?」と探していくと,まさにぴったりのモノがありました.

 長さ3.5mのアルミ材が2本,これを見つけて,俄然現実味がでてきました.

 他の材料も見つかり,いよいよその組み立てがなされ,後はヘチマの成長を待つだけになりました(つづく).
hetima0629-1
     梅雨の間の晴れた日に,ヘチマの先端がネットを昇りはじめた瞬間を撮影しました.