この数日間,学会講演のために原稿2つを執筆していました.先ほど,その推敲を終えて,送付を完了しましたので,本日はやや遅くなってからのブログ書きになりました.
こちらでは,台風がやや反れたので,朝には風が治まっていました.
四国,岡山,近畿を中心に雨の被害が出ているようです.台風の進路が遅く,その総雨量は700㎜を超えたところもあり,さらに被害が出てくることが心配されます.
どうか,安全に気をつけて,台風の通過を待機されてください.また,来週には台風12号が接近してくるようで,油断はできませんね.
幸いにも,昨日紹介させていただいた中庭のヘチマは無事でして,それこそ,ヘチマの先端が風に揺られて左右に揺れるだけで,そのほとんどが傷むまでに至りませんでした.
前置きは,これぐらいにして,本題に戻ることにしましょう.
前回の時期では,沖縄高専を新設にあたり,近隣の2つの工業高校が廃止になった事例を紹介させていただきました.
これは,国(文部科学省)と県(沖縄県),地元自治体(名護市)の協議によって決められたことでしょうから,この協議によって,既設の工業高校の廃止と高専の新設がセットになって行われたことには小さくない意味がありました.
すなわち,この形態で,高専を新設していく最初の事例が生まれたのであり,これをモデルにして,それを発展させていくというチャンスが生まれたのでした.
しかし,せっかくのチャンスも,以後は生かされず,逆に,「高度化」の名のもとに2つの高専を統合することで,より縮小側に向かっていく流れが形成されたのでした.
しかも,肝心の高専側の主体者の方で,工業高校を高専化していくという指向が乏しかったようで,そこで,この流れは停滞してしまう事態となりました.
私は.この沖縄高専の創設によって,高専が全国各地に最低1県に1校の割合で増やしていくことによって,高専が文字通りのわが国を代表する技術者教育機関に発展していけるチャンスを得たと思っていましたが,それが実現されるには至りませんでした.
その後,自民党の政調会長が,すべての工業高校を高専化すると主張し,ある自治体の長が,地元の高校の再編に伴い,それを高専化したいということで,高専当局に相談にいって,そのトップが,その地元の自治体を視察に行ったという事例もありました.
さらには,東京都が城東地区に新たな高専創設を検討していることなどの事例が出現しましたが,いずれも,実際に高専化がなされるところまで漕ぎつけることはありませんでした.
一方で,21世紀になって,グローバリゼイションの名のもとに,世の中は大きく激変し始めました.
大手企業は多国籍企業化し,国内の主要な企業は外国系企業に変化し始めています(外国の株主の持ち株が30%を超えると国内企業ではなくなる).
これに加えて,日本人で外国で働く数は,半数を超えるに至っています.おまけに,海外で利潤であげ,それを国内で内部留保するという仕組みが定着し,その金額は莫大なものになっています.
国内での設備投資がなされないようになり,地方では,海外移転に伴う工場閉鎖や企業倒産も出てくるようになっています.
そして,自動車に続いて日本経済を牽引するエンジンが無くなって久しくなり,その次が見いだせない状況が続いています.
このような状況の中で,これらの問題を解決できる技術者づくりがますます重要になっています.
その意味で,高専は,質的にも量的にも,日本を代表する技術者教育機関になることが求められているのではないかと思います.
以上を踏まえながら,「『高専危機』と『専門職業大学』問題」という小論を執筆させていただきました.
ここでは,まず,専門職業大学構想の基本が,次のように要約されています.
広重 東海道五十三次 桑名 七里渡口
こちらでは,台風がやや反れたので,朝には風が治まっていました.
四国,岡山,近畿を中心に雨の被害が出ているようです.台風の進路が遅く,その総雨量は700㎜を超えたところもあり,さらに被害が出てくることが心配されます.
どうか,安全に気をつけて,台風の通過を待機されてください.また,来週には台風12号が接近してくるようで,油断はできませんね.
幸いにも,昨日紹介させていただいた中庭のヘチマは無事でして,それこそ,ヘチマの先端が風に揺られて左右に揺れるだけで,そのほとんどが傷むまでに至りませんでした.
前置きは,これぐらいにして,本題に戻ることにしましょう.
前回の時期では,沖縄高専を新設にあたり,近隣の2つの工業高校が廃止になった事例を紹介させていただきました.
これは,国(文部科学省)と県(沖縄県),地元自治体(名護市)の協議によって決められたことでしょうから,この協議によって,既設の工業高校の廃止と高専の新設がセットになって行われたことには小さくない意味がありました.
すなわち,この形態で,高専を新設していく最初の事例が生まれたのであり,これをモデルにして,それを発展させていくというチャンスが生まれたのでした.
しかし,せっかくのチャンスも,以後は生かされず,逆に,「高度化」の名のもとに2つの高専を統合することで,より縮小側に向かっていく流れが形成されたのでした.
しかも,肝心の高専側の主体者の方で,工業高校を高専化していくという指向が乏しかったようで,そこで,この流れは停滞してしまう事態となりました.
私は.この沖縄高専の創設によって,高専が全国各地に最低1県に1校の割合で増やしていくことによって,高専が文字通りのわが国を代表する技術者教育機関に発展していけるチャンスを得たと思っていましたが,それが実現されるには至りませんでした.
その後,自民党の政調会長が,すべての工業高校を高専化すると主張し,ある自治体の長が,地元の高校の再編に伴い,それを高専化したいということで,高専当局に相談にいって,そのトップが,その地元の自治体を視察に行ったという事例もありました.
さらには,東京都が城東地区に新たな高専創設を検討していることなどの事例が出現しましたが,いずれも,実際に高専化がなされるところまで漕ぎつけることはありませんでした.
一方で,21世紀になって,グローバリゼイションの名のもとに,世の中は大きく激変し始めました.
大手企業は多国籍企業化し,国内の主要な企業は外国系企業に変化し始めています(外国の株主の持ち株が30%を超えると国内企業ではなくなる).
これに加えて,日本人で外国で働く数は,半数を超えるに至っています.おまけに,海外で利潤であげ,それを国内で内部留保するという仕組みが定着し,その金額は莫大なものになっています.
国内での設備投資がなされないようになり,地方では,海外移転に伴う工場閉鎖や企業倒産も出てくるようになっています.
そして,自動車に続いて日本経済を牽引するエンジンが無くなって久しくなり,その次が見いだせない状況が続いています.
このような状況の中で,これらの問題を解決できる技術者づくりがますます重要になっています.
その意味で,高専は,質的にも量的にも,日本を代表する技術者教育機関になることが求められているのではないかと思います.
以上を踏まえながら,「『高専危機』と『専門職業大学』問題」という小論を執筆させていただきました.
ここでは,まず,専門職業大学構想の基本が,次のように要約されています.
①専門高校の卒業生を受け入れる大学(高等教育機関)である.
②既存の大学,短大,専門学校からの移行や併存が可能である(高専については明記されていない).
③年限は,2~4年で,学位は,短期大学士,学士の授与を可能とする.
④既存の大学と同等かそれ以上の「質の高さ」を確保できる実践的職業教育を行う.
⑤教育機関として設置し,研究機関としては位置づけないで,高等教育機関としての新大学とする.
⑥産業界と連携した教育(実務訓練など).
⑦教育内容については,哲学や古典は不要とし,実践的な教育手法を取り入れる(PBLなど).
以上のことから,専門職業大学とは,主として専門高校の卒業生を受け入れ,質の高い実践的な職業教育を行う機関であり,しかし,大学といえども,研究機関としては位置づけられない「初めての高等教育機関」となる可能性がある.
広重 東海道五十三次 桑名 七里渡口
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