前回の記事において、日本酒の審査の指標として、「酸味」、「コク」、「キレ」、「まろやか」という4つを示させていただきました。
これらの指標とは別に、「濃醇辛口」、「濃醇甘口」、「淡麗辛口」、「淡麗甘口」という用語で日本酒の特徴が表現されることもあります。
これらの4つの用語は、先の4つの指標との関係は、次のような関係にあるとされています。
濃醇辛口:「酸味・コク・キレ」
濃醇甘口:「酸味・コク・まろやか」
淡麗辛口:「キレ」
淡麗甘口:「まろやか」
これらは、右側の4指標のうちのいくつかにおいて、それぞれが優れていることを特徴としています。
しかし、これらの相互関係があるとしても、実際には、それらを正しく理解することは非常に難しいのではないかと思われます。
とくに、濃醇辛口と濃醇甘口には、3つの指標が同時に含まれていますので、これらの正確な識別においては、かなりの厳密性が求められることになるでしょう。
ここで重要なことは、この4つの指標のすべてにおいて優れた酒は、これまでには存在せず、「錦」の誕生によって、これが初めて実現されたことです。
これは、これまでの困難がブレイクスルーされたことを意味し、これが今後の日本酒のあり方に重要な影響を与えることになる可能性あることです。
さて、ここでもうひとつ技術的に重要なことは、「錦」のような大吟醸酒におけるアルコール添加の問題です。
周知のように、酒造りの最後の工程において醸造アルコールを添加したものが「大吟醸酒」であり、この添加具合が、大吟醸酒の味に重要な影響を与えていました。
このアルコール添加の作用は、一般に、日本酒の「香り」を引き立たせ、さらに「キレ」をよくするために用いられていると説明されてきました。
日本酒の味の分類法(従来は、Ⅰ群とⅡ群に分かれていた)
これらの指標とは別に、「濃醇辛口」、「濃醇甘口」、「淡麗辛口」、「淡麗甘口」という用語で日本酒の特徴が表現されることもあります。
これらの4つの用語は、先の4つの指標との関係は、次のような関係にあるとされています。
濃醇辛口:「酸味・コク・キレ」
濃醇甘口:「酸味・コク・まろやか」
淡麗辛口:「キレ」
淡麗甘口:「まろやか」
これらは、右側の4指標のうちのいくつかにおいて、それぞれが優れていることを特徴としています。
しかし、これらの相互関係があるとしても、実際には、それらを正しく理解することは非常に難しいのではないかと思われます。
とくに、濃醇辛口と濃醇甘口には、3つの指標が同時に含まれていますので、これらの正確な識別においては、かなりの厳密性が求められることになるでしょう。
ここで重要なことは、この4つの指標のすべてにおいて優れた酒は、これまでには存在せず、「錦」の誕生によって、これが初めて実現されたことです。
これは、これまでの困難がブレイクスルーされたことを意味し、これが今後の日本酒のあり方に重要な影響を与えることになる可能性あることです。
さて、ここでもうひとつ技術的に重要なことは、「錦」のような大吟醸酒におけるアルコール添加の問題です。
周知のように、酒造りの最後の工程において醸造アルコールを添加したものが「大吟醸酒」であり、この添加具合が、大吟醸酒の味に重要な影響を与えていました。
このアルコール添加の作用は、一般に、日本酒の「香り」を引き立たせ、さらに「キレ」をよくするために用いられていると説明されてきました。
このアルコールの添加をどう行うかは非常に微妙な問題であり、この最適添加を誤ると、アルコール特有の「ツッパリ感」や「いやみ」が出てしまうという問題もありました。
また、キレの作用は、その添加で糖や酸を抑えることによって生み出されるとされていましたが、この制御が相当難しく、杜氏の力量が最も試される事柄でもありました。
しかし、このアルコール添加に関する制御法については、単にアルコールを量的に調節して添加する程度のものしかなく、あるいは、どの会社のアルコールを用いるか程度の、いわば遅れた技術でもありました。
実際、いくつかの失敗と試行錯誤を経ながら、M酒造の杜氏が、マイクロバブル技術を駆使してブレイクスルー(突破)しようとしたのは、次の3つの課題でした。
①日本酒の「香り」を、そのまま残して、酸味とコクを出す。
②酸味とコクを引き出しながら、キレを最高度に実現する。
③酸味とコク、キレを保ちながら、まろやかさを生み出す。
これらの課題解決は、これまでの酒造りにおいては真に奇跡に近い「難問」でしたが、結果的に、上記の審査員講評に示されたように、それらがマイクロバブル技術を駆使することによってほぼ可能になったことが重要なことでした。なお、これらのより深い解説は、重要な「ノウハウ」に触れることになりますので、ここでは差支えの範囲で、次の基本的な事項のみを示すことに留めることにしましょう(つづく)。

日本酒の味の分類法(従来は、Ⅰ群とⅡ群に分かれていた)
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