他に、地域再生にマイクロバブルのアイデアを最高度に活かした事例として、村重酒造の大吟醸酒「錦」のモンドセレクション最高金賞受賞の六連覇達成があります。

また、もう一つの典型例としては、岩村もみじ屋のもみじ饅頭も好調で、休日には1日1万個も売れる状態が続いています。

これらの活躍の背後には、優れた新技術の適用があり、そこにしっかり裏付けられていることで、これらの快挙が実現されていることを忘れてはなりません。

また、前述の備前焼における85m巨大窯、そして、東広島市のKさんの技術開発、これらの背後にもしっかりした科学と技術が存在し、それに裏打ちされることで成功に導かれることに注目する必要があります。

さて、ここでは、それらに匹敵する可能性を有した重要な事例をもうひとつ紹介させていただくことにしましょう。

その場所は、山口県下松市の里山です。

ここにTさんが、人生の最後の勝負に挑んでおられます。

Tさんは、若い頃に車にひかれ、長い間寝たきりになり、そして熱心なリハビリによって回復し、松葉づえで歩けるまでになりました。

「長い間、病気との闘いでしたので、今度は、最後に人生との闘いをさせていただきます」

この一念発起で、親しい方々と里山レストランを新築されることになりました。

そして、その目玉として、このレストランに併設したミニ植物工場を造ろうとされています。

かつて、この里山周辺には、いくつもの野菜畑がありましたが、今は皆無になっています。

なぜなら、せっかく野菜を作っても、猪、鹿、猿が、それを食い尽くしてしまうからです。

したがって、野菜作りは、都市の中に限られており、そのために、野菜が慢性的に不足していて高価なものとなっています。

新鮮で美味しい、そして無農薬使用の安全安心の野菜はほとんど見当たらない、これが現状なのです。

このTさんが、私どものところに友人とともに相談に二度来られ、この一念発起の挑戦に対して支援を行うことになりました。

既往の植物工場では、その経営において赤字が多く、その採算性は大規模にしないと達成できないと思われています。

これに対し、小さくても、十分に採算が取れてやっていける、このようなミニ植物工場はいまだ実現されていません。

ここには、この困難をブレイクスルーするための新技術の適用が不可欠になります。

私も、Tさんと一緒になって、この壁の突破を試みたいと思います(この稿おわり)。

追伸
ハッチさん、おかげでよい論考ができました。ありがとうございました(マイクロバブルはかせ)。
広重 白須賀 潮見阪図
広重東海道五十三次 白須賀 潮見阪図