マイクロバブル仲間の「ハッチ」さんが、地域再生問題について論じているブログ記事を楽しく読ませていただきました(参照「マイクロバブル日記」ハッチ著)。
この地域再生問題は、この2、3年において、私なりに研究に取り組んできたテーマでもあります。
そこで、上記の論及を踏まえて、私の考えをコメントすることにしました。
さて、ここで論究されていたキーワードは、次の3つでした。
①新しい産業を発掘して、その上で新たな産業を考える。
②弱体化している地方には勝ち目がない。
③世界的視野から新たな産業を考える。その産業とは何か?
まず、②の問題から分け入ることにしましょう。
今の世の中は、すべてが中央から地方へと流れています。これは川の流れのようで、その逆流は存在しません。
お金や権力の集中がそうさせているからだと思います。
先日も知事選がありましたが、その当選候補者において役人だった方のなんと多いことか、その役人が知事になって、今度は、県の役人が市長になっていきます。
こうなるとますます、その川の流れは加速していきます。
そして、そこには末端に行くほど弱体化し、先細りになってしまっています。
それだから地方には勝ち目がありません。
たとえば、トヨタは昨年度の国の研究開発補助金を1社のみで1200億円受けたことが報じられています。
これは中小企業の補助金ですと高くて1000万円ですから、1万2千社に相当する額になります。
1200億円の研究開発補助金を有する企業と地方の1000万円の研究開発補助金を受けた企業が競争するとなると、その勝負は最初から決まっています。
同じ土俵では、最初からこのような優劣がついてしまいますので、そうではない土俵で新たな産業を発掘する必要があります。
もちろん、その時に、世界的視野も必要になるでしょう。
また、大都市に対しては、単なる補完的存在ではなく(大都市のメインシステムに対して、サブシステムとしての役割を果たすのではなく)、それらを凌駕できるものでないと、勝ち目を得て、実際に勝つことはできません。
それでは、そのような産業は、いったい存在するのでしょうか?
具体的に、それを見出し、育てることはできるのでしょうか?
まさに、この問題が、地方創生の最重要課題になっているように思いますが、ハッチさん、いかがですか?
そこで、まず、この問題を解明するための糸口探しを行う必要があります。
トヨタ他の大企業と同じ土俵で戦えば負けるのは必至ですから、かれらと異なる土俵を探すことが、その糸口となるはずです。
この糸口については、次の2つがあります。
1)新たな先端科学の究明によって新たな先端産業を創成する。
これに該当するのがiPS医療であり、その発展が期待されていますが、この創生は、地方からではなく、やはり中央に近いところから発展しています。
2)地方に現存するものに新たな光をあてて、再創生を行うことができるものを見出す。
1)については、莫大なお金とそれなりのスタッフが必要であり、その取り組みは限られた部分でなされていて、それ以外の方々は参加できません。
これに対し、2)については、お金がなくても、自由に、多くの方が参加できます。
しかし、ここには勝ち目がないとされ、半ば見放されている部分もありますので、それを逆流させて勝ち目のあるようにする、ここに知恵と工夫が必要であるように思います。
果たして、川が川下から川上に向かって流れる、そのようなことがありうるのでしょうか?
(つづく)
前庭に咲いたチューリップ
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