①小豆の洗浄

 ②小豆の灰汁取り

 ③小豆の煮込み

 ④餡づくり

 ⑤カステラ生地用の水づくり

 ⑥カステラ生地用粉との混合・撹拌による生地づくり


本日は、上記6つの工程のうちの3つ目、「小豆の煮込み」について述べることにしましょう。

昔から、小豆の煮方については、いろいろな工夫がなされています。インターネット上でもたくさんの記事があり、それらを読ませていただき、勉強になりました。

それらを総合しますと、次のようになります。

 1)水は、小豆の「へそ」の部分から侵入しする。ただし、この侵入には時間がかかる。

 2)最初はやや強火で煮て、灰汁取りを行う。

 3)最初の煮湯を捨て、新たな水のなかでゆっくりと時間をかけて弱火で煮る。

 4)水温を急激に上昇させて高温になると、「横われ」が生じ、煮崩れの原因になる。

 5)煮ている最中では、小豆の皮の部分が高温になり、芯の部分までには熱が到達せず、より低温の状態が続く。

 6)そのため、煮ている最中に「差し水(さしみず)」を2、3回行い、小豆の外皮付近の温度を下げて、芯の部分との温度差を解消する。

 7)これらの煮方が、古い小豆と新しい小豆では、それぞれ異なる。

これらを踏まえますと、たしかに小豆の煮方には、微妙な問題があり、工夫と注意が必要であることが明らかです。

小豆を煮る目的の一つに、餡づくりがありますが、あるお菓子職人は、この餡づくりが、お菓子職人にとって最初の関門であり、これを突破するには10年の修業が必要であると述べられていました。

それだけ、知恵と工夫が必要とされる、いわば「技の磨きがい」がある作業といえそうです。

そこで、上記の1)から7)の問題について、考察を加えていくことにしましょう。

まず、1)の問題です。

小豆の殻は硬く、水を弾きます。外敵から身を守り、水分調整は、その「へそ」の部分を通じて行うようにできています。

この部分を通じての水分の浸入問題については前回の記事において述べていますので、ここでは省略します。

要するに、この部分を通過して水が浸入する速度が大きくなり、先に示した大きな差異が生まれるのだと思います。

この浸入ができないために、時間がかかる、その手間を省くという問題が出てきているのではないでしょうか。

そして、この問題は、灰汁の出し方とも関係しています。

通常の水に浸すだけでは、灰汁が出にくいので、それだけ、灰汁出しに時間がかかります。

一方で、これを省いてすぐにに始めると、灰汁は出てきますが、その際に、水溶性のビタミンB1やB2ほかの栄養分も一緒に出てしまい、小豆の味と栄養がなくなってしまいます。

これでは元も子もなくなりますので、1)の問題は、小豆やそれを用いて作った餡の味に関わる非常に重要な問題であるといえそうです(つづく)。
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