「5年もすれば、すぐに廃れてしまう技術」、この典型事例が、わが国の電機産業においていくつも生まれています。

液晶パネル、DVDプレイヤー、カーナビなど、1990年代の後半には90~100%に近かった世界市場シェアのものが、数年間で、20%以下にまで減少しています。

テレビにおけるコマーシャルにおいても大きな変化があります。テレビやパソコン、ディジタルカメラなどの宣伝はほとんどなくなりました。

これらを踏まえますと、「5年もすれば、究明されつくされてしまい、廃れてしまう」という認識は、あながち誤ったものではないということができます。

その多くが、激烈な競争のなかで、栄枯盛衰を繰り広げているからであり。その断片の現象が、そのような見解を導き出しているのだと思います。

そこで、マイクロバブル技術が、その「5年もすれば廃れてしまう技術」に入るのか、それとも入らないのか、これが問題になります。

この問題の解明には、まず、マイクロバブル技術の特徴を理解しておく必要があります。

すなわち、マイクロバブル技術は、液晶やDVD、カーナビなどの技術と、どこが同じで、どこが異なるのかを明らかにすることが重要になります。

そのために、マイクロバブル技術固有の特徴を具体的に考察していくことにしましょう。

その第1は、マイクロバブルの「新物質性」にあります。

マイクロバブルは自然界において、特殊な環境下において存在しますが、通常はめったに出会うことがない物質です。

1995年に、大量に発生させる装置を開発していなければ、みなさんが、それに巡り合うことはなかった物質であり、現象なのです。

それでは、マイクロバブルを、なぜ、「新たな物質」ということができるのでしょうか。ここが、最初の核心的問題になります。

たとえば、ナイロンは、1936年にアメリカのデュポンという化学会社のウォーレス・ヒューム・カロザースが新たに創り出した物質です。

最近では、東レとユニクロが共同開発したウルトラライトダウンの素材も、この流れを汲む物質です。

軽くて暖かいので、私も重宝しています。

カローザスが創出したナイロンは、世の中になかった新物質でしたので、それを何に使うかが問題でした。

デュポンは、これに知恵を絞り、女性のストッキングに適用したのでした。

「石炭と水と空気から作られ、鋼鉄よりも強く、クモの糸より細い」

というキャッチフレーズで宣伝され、女性の心を捉える革命的商品になっていきました。

この発展を考えますと、新物質の発見➡それを利用した革命的商品の創出➡用途の拡大➡更なる発展という過程をたどっています。

このように新たな物質の発見は、それが商品や新技術に発展していく可能性を有しています。

それでは、マイクロバブルの場合はどうでしょうか?

これを考察するには、何が新物質なのか、これが問題になります。

水と空気だけでマイクロバブルが生まれますので、単に空気の塊を小さくしただけではないかと、思われがちです。

ところが、そうではありません。次回は、そのことについて考察することにしましょう(つづく)。
北斎江戸駿河町三井見世略図

北斎 江都駿河町三井見世略図