初めて食べるイシモチカレイの味は、どうなのか、とても気になっていました。

そこで、料理をしている最中に、刺身の一切を味見させていただきました。

予想以上に淡白な味で、噛むほどに味が徐々に出てきました。

ーーー もともと、こんな味なのか。おいしいことに間違いはないが。

それを初めて捌く家内からも感想が発せられました。

「こんなに分厚くて、弾力性のある魚は初めて!」

今夜は3月に入り、桃の節句になりました。

「雛壇も20数年ぶりに飾ることから、みんなでお祝いをしましょう!」

その夕食のメインが、このイシモチカレイでした。

やや不揃いですが、その刺身を示すことにしましょう。
イシモチカレイ

わずか2時間後ですが、その味は大きく変わっていました。

先ほどの淡白さがなくなり、よく噛まないと味が出てこなかったのですが、これらがみごとに変わっていました。

まず、口に入れると、あのごつごつ感がなく柔らかいことに驚きました。

加えて、舌にしっとりと合い、甘い旨みをすぐに知覚することができました。

ーーー これだと、通が、この魚を探しまわるという意味が理解できそうだ!

とにかく、通の私が感激するほどの味でした。

いっしょに食べていた孫たちも、この味が解ったのでしょう。

この二人の食べ方は、これをやや温めて食べるそうですが、それでもおいしさは変わりませんので、それこそ食べっぷりがよく、何度も「御代わり」を発していました。

二人とも、魚といえばマグロしかない処で育っていますので、この白身の魚に初めて接し、とても喜んでいました。

「この魚を食べると100年生きられる」

これも魚屋さんから買うときにいただいた言葉ですが、その意味も解るような気がしました。

刺身の次には、この魚の粗(あら)で造った吸物が出てきました。

このなかに、大きな肝が入っていました。その汁とともに、この肝が最高でした。

そして、最後は「手巻き」、大分県産の海苔、私の手作りの特製卵焼き、これらに同じく私が育てたセロリの茎も加わりました。

そして、この手巻き寿司も、みんなが「止(や)められない、止(と)まらない」状態になりました。

久しぶりに、よい食事を摂らせていただきました。

桃の節句を飾る、楽しい夕食になりました。

もうすぐ春ですね(つづく)。