時代は流れていく、よく耳にする言葉です。

その流れは、どっちの方向に流れていくのか、それを理解することが、新聞を読むことで、ある程度可能になります。

1月12日の日経新聞1面に「食と農」というシリーズ記事が始まりました。

その第1回は、「願いは健康技術①」として、次の見出しがありました。

 「ゼロリスク」価値を生む

 ママたちは食べ物が心配


千葉県にある有機野菜を宅配する会社は、約20万人の利用者を有しているそうです。

そのうちの9割が女性で、なかでも若き母親たちには「健康やゼロリスク」指向を強く持っているというのです。

彼女ら、とくに妊婦の母親は、「無農薬、有機、国産」の野菜情報を求めていて、それが、新たな商機を生み出しています。

農薬といえば、日本における使用量はヨーロッパと比較すると約6倍も使用しています。農薬まみれ、それが今の野菜であり、そのために、野菜本来のおいしさまでなくしています。

また、有機といえば、無機肥料を用いないことで、その安全性が売り物になっています。

さらに、国産という問題については、肥料を大量に使用することで問題になった外国産農産物の問題が想起されます。いくら安くても、農薬まみれの野菜を買う時代は過ぎ去ってしまいました。

これらを考慮すると、妊娠や出産を控えた若い妊婦にとって、より安全で、可能であれば、リスクゼロの食物を食べる、食べさせることが、非常に切実な問題となっているのは、ある意味で当然のことだといえます。

そして、出産後も、「子供に健康で安全、自然の野菜を食べさせたい」という思いから、その宅配野菜の利用が数多く続けられる。これも頷けます。

なぜ、若き母親たちが、どの世代よりも強く、食と農におけるゼロリスクを求めるのか、その理由は、相談相手が少なく、いくつもの情報に翻弄されやすいことから、その分、より確実な情報を求めているのだそうです。

ーーー 彼女らも、そうだったのか。

安全で、新鮮な、そしておいしい野菜を求めているのは、私どものような高齢者だけではなく、多くの世代にわたっていたようで、認識を新たにさせていただきました。

それに、若い母親層がいることまでには思いが及んでいませんでした。

この2年、私自身も、自分で野菜を育て始めて、その健康とゼロリスクの大切さをよく理解できるようになりました。

妊婦であれば、そして母親であれば、それだけ、安全で、新鮮、そして美味しい野菜を求めるのは、ある意味で当然のことです。

この問題を究極的に考えますと、その新聞記事にも書かれていましたが、100%安全で新鮮な野菜、しかも飛び切りおいしい野菜を手に入れることはなかなか難しく、これを技術的にブレイクスルーすることが、次の時代において切に求められていることに行き着きます。

若い妊婦が、自分で野菜を育てられるようになり、出産後も、その野菜を子供たちに食べさせる、それが簡単にできるような世の中になることが求められているのかもしれませんね(つづく)。
トマト