研究の進展によって、マイクロバブルが収縮するか、それとも膨張するのか、このいずれかによって、マイクロバブルの性質が大きく変化することがいよいよ明白になってきました。

前者は、その収縮運動によってさまざまな物理化学的特性を示すのに対し、後者は、唯の気泡でしかなく、その性質は気体成分をやや溶解させる程度であり、本質的にはミリバブルに近い性質を有していました。

その収縮か、膨張かの分かれ目は、常温常圧下において、マイクロバブルの直径が65マイクロメートルであり、これを「限界気泡径」と呼んでいます。

これは、実際のマイクロバブルの計測から求めた値ですので、科学的に正しい値です。世間では、一部に、その気泡径を50マイクロメートルする方もいますが、それには根拠がなく、科学的には正確性を欠く見解といえます。

そこで、この収縮運動と膨張運動の違いをより詳しく考察することにしましょう。

まずは、解りやすい方の膨張運動から、説明を開始しましょう。

直径が65マイクロメートル以上の気泡の場合、浮力が大きく、水中では、水表面に向かって上昇していきます。

そうすると、気泡の受ける圧力は低下し、その分だけ気泡の容積は増大し、膨張を遂げようとします。

一方で、微小気泡ですから、その界面では気泡の溶解が起きます。

この膨張が溶解による収縮よりも打ち勝つことによって気泡は膨張を開始します。

この膨張によって、より浮力を増し、さらに膨張を遂げて、気泡径は大きくなり、そのことでさらに浮力も大きくなります。

この運動を繰り返して、最後には浮力を増して水表面まで到達し、弾けてしまうのです。

すでに述べてきたように、この上昇過程では、気体成分が液体中にわずかに溶解するのみで、それ以外の物理化学的反応は起きません。

一方で、大きな気泡ほど撹拌する力もないので、水中に漂い、水面まで静かに上昇して消えていくだけのことが起こるのみです。

これに対し、65マイクロメートル以下の気泡では、膨張とは逆の収縮が起こります。

これがさまざまな新しい特性を発揮しますので、この収縮するマイクロバブルこそ、「本物のマイクロバブル(リアルマイクロバブル)」ということができます。

そこで、次回は、その本物のマイクロバブルの性質を解説することにしましょう(つづく)。