3つ目のキーワードは「マイクロバブルの物理化学的特性」です。
これを説明する前に、「マイクロバブルとは何か」を説明しておく必要があります。
最初に、「マイクロバブル」の定義を明らかにしておきましょう。
一般的には、マイクロバブルとは、マイクロメートルサイズの微小気泡のことです。この場合、マイクロメートルサイズとは、1マイクロメートルから999マイクロメートルの範囲の大きさを意味します。
しかし、これでは、単なる大きさによる分類ですから、厳密には正確な定義とはいえません。
そのため、よりマイクロバブルの特徴を考慮した定義がなされる必要があります。これを狭義の定義と呼ぶことにして、次のように定義しています。
「マイクロバブルの発生時に、その直径が10~数十マイクロメートルの微細な気泡」
ここで、わざわざ、「マイクロバブルの発生時」という用語を添えているのは、その発生後に、ほとんどすべてのマイクロバブルが収縮しながら変化していくことが考慮されているからです。
次に、その直径が10~数十マイクロメートルというサイズの範囲が示されています。
この意味は、この範囲のマイクロバブルが圧倒的に多く、とくに、数十(50)マイクロメートル以上の直径を有する気泡は非常にその数が少ないことが考慮されているからです。
また、10マイクロメートル以下のサイズの気泡は、なかなか正確な計測が難しいことも考慮して、
数百ナノメートルから10マイクロメートルの範囲にある気泡を「マイクロナノバブル」と呼んでいます。
このマイクロナノバブルは、マイクロバブルが収縮して、そのサイズに至りますが、その間の寿命が非常に短いことから、これを正確に追跡するには、かなりの計測上の工夫が必要になります。
さらに、計測が困難になるが、その直径が数百マイクロメートル以下のサイズの微細気泡であり、これを「ナノバブル」と呼んでします。1ナノメートルは10のマイナス9乗メートルですから、非常に小さいサイズといえます。
また、これらの「マイクロバブル」、「マイクロナノバブル」、「ナノバブル」を総称して、「マイクロ・ナノバブル」と呼んでいます。
最近になって、この「マイクロ・ナノバブル」のことを「ファインバブル」と呼ぶ方々も出てきています。
アメリカでは、微細な気泡のことを「ファインバブル」と呼んでいて、私のアメリカの特許では、マイクロバブル発生装置のことを「ファインバブルジェネレーター(fine bubble generator)」と表現していました。
このように、同じ気泡においても、異なる用語法を使用するようになっていますが、これは、あまり良い状態ではないので、どこかで、その統一化、標準化を、いずれ行う必要があると思います。
なお、この記事においては、より多くの方々に認知されている「マイクロバブル」他の定義を用いることにします。
さて、これらの定義に関係して、もう一つ重要なことがあります。
それは、発生装置の違いによって、そこから発生させられるマイクロバブルや微小気泡の性質が、それぞれ微妙に、そして本質的には大きく異なる問題が存在していることです。
これについては、それが事実であると困ってしまう方々がいましたので、その紹介をしておきましょう。
その第1は、理論計算やシミュレーションをなさっている研究者の方々でした。彼らは、まず、「サイズが同じであれば、マイクロバブル、ナノバブルの性質は、みな同じである」と主張しました。
その理由をよく聞いて見ると、そこには根拠らしいものがなく、しいて言えば、そうだと、すなわち、マイクロバブルの性質が、発生装置によって違うとなると困ってしまう、それが本音のようでした。
ですから、私が、同じサイズのマイクロバブルでも、その性質は異なっているという証拠を提示すると、それをなかなか認めていただけませんでした。
それを認めることの方が、より科学の深い世界に分け入ることができるはずなのですが、なぜか、その壁は高かった、あるいは高すぎたのかもしれません。
次に困られたのは、マイクロバブルの発生装置に関して、なかなか自信を持てなかった方々でした。
開発者は、自分が開発した装置と性能に自信を持つべきですが、そこが頼りないと、その効能は、どこか別のところから借りてきて、「それと同じです」という傾向があるようです。
この方々も、マイクロバブルであれば、すべて、その性質は同じ、あるいは同じであってほしいと思っておられるようです。
ですから、この問題は、きちんと整理をして明確にしておく必要があります。
マイクロバブル技術の創始者としての私にとって、これは、非常に重要な課題であると思っています(つづく)。
これを説明する前に、「マイクロバブルとは何か」を説明しておく必要があります。
最初に、「マイクロバブル」の定義を明らかにしておきましょう。
一般的には、マイクロバブルとは、マイクロメートルサイズの微小気泡のことです。この場合、マイクロメートルサイズとは、1マイクロメートルから999マイクロメートルの範囲の大きさを意味します。
しかし、これでは、単なる大きさによる分類ですから、厳密には正確な定義とはいえません。
そのため、よりマイクロバブルの特徴を考慮した定義がなされる必要があります。これを狭義の定義と呼ぶことにして、次のように定義しています。
「マイクロバブルの発生時に、その直径が10~数十マイクロメートルの微細な気泡」
ここで、わざわざ、「マイクロバブルの発生時」という用語を添えているのは、その発生後に、ほとんどすべてのマイクロバブルが収縮しながら変化していくことが考慮されているからです。
次に、その直径が10~数十マイクロメートルというサイズの範囲が示されています。
この意味は、この範囲のマイクロバブルが圧倒的に多く、とくに、数十(50)マイクロメートル以上の直径を有する気泡は非常にその数が少ないことが考慮されているからです。
また、10マイクロメートル以下のサイズの気泡は、なかなか正確な計測が難しいことも考慮して、
数百ナノメートルから10マイクロメートルの範囲にある気泡を「マイクロナノバブル」と呼んでいます。
このマイクロナノバブルは、マイクロバブルが収縮して、そのサイズに至りますが、その間の寿命が非常に短いことから、これを正確に追跡するには、かなりの計測上の工夫が必要になります。
さらに、計測が困難になるが、その直径が数百マイクロメートル以下のサイズの微細気泡であり、これを「ナノバブル」と呼んでします。1ナノメートルは10のマイナス9乗メートルですから、非常に小さいサイズといえます。
また、これらの「マイクロバブル」、「マイクロナノバブル」、「ナノバブル」を総称して、「マイクロ・ナノバブル」と呼んでいます。
最近になって、この「マイクロ・ナノバブル」のことを「ファインバブル」と呼ぶ方々も出てきています。
アメリカでは、微細な気泡のことを「ファインバブル」と呼んでいて、私のアメリカの特許では、マイクロバブル発生装置のことを「ファインバブルジェネレーター(fine bubble generator)」と表現していました。
このように、同じ気泡においても、異なる用語法を使用するようになっていますが、これは、あまり良い状態ではないので、どこかで、その統一化、標準化を、いずれ行う必要があると思います。
なお、この記事においては、より多くの方々に認知されている「マイクロバブル」他の定義を用いることにします。
さて、これらの定義に関係して、もう一つ重要なことがあります。
それは、発生装置の違いによって、そこから発生させられるマイクロバブルや微小気泡の性質が、それぞれ微妙に、そして本質的には大きく異なる問題が存在していることです。
これについては、それが事実であると困ってしまう方々がいましたので、その紹介をしておきましょう。
その第1は、理論計算やシミュレーションをなさっている研究者の方々でした。彼らは、まず、「サイズが同じであれば、マイクロバブル、ナノバブルの性質は、みな同じである」と主張しました。
その理由をよく聞いて見ると、そこには根拠らしいものがなく、しいて言えば、そうだと、すなわち、マイクロバブルの性質が、発生装置によって違うとなると困ってしまう、それが本音のようでした。
ですから、私が、同じサイズのマイクロバブルでも、その性質は異なっているという証拠を提示すると、それをなかなか認めていただけませんでした。
それを認めることの方が、より科学の深い世界に分け入ることができるはずなのですが、なぜか、その壁は高かった、あるいは高すぎたのかもしれません。
次に困られたのは、マイクロバブルの発生装置に関して、なかなか自信を持てなかった方々でした。
開発者は、自分が開発した装置と性能に自信を持つべきですが、そこが頼りないと、その効能は、どこか別のところから借りてきて、「それと同じです」という傾向があるようです。
この方々も、マイクロバブルであれば、すべて、その性質は同じ、あるいは同じであってほしいと思っておられるようです。
ですから、この問題は、きちんと整理をして明確にしておく必要があります。
マイクロバブル技術の創始者としての私にとって、これは、非常に重要な課題であると思っています(つづく)。
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