あるとき、長野県のマイクロバブル入浴者から、こんな問い合わせがありました。

「先生、マイクロバブルのお湯が黒くなるのですが、なぜでしょうか?」

私も、これをふしぎに思い、早速、その長野の水を送っていただいてテストを行いました。しかし、その水は何も変化していませんでしたので、その旨を報告して済ませました。

ところが、しばらくして宮城県の女性と面会したときに、このような質問を受けました。

「先生、私は、毎日お風呂に入っていますので、身体はいつもきれいにしています。しかし、私がマイクロバブルのお風呂に入ったあとは、その水がいつも黒く汚れています。私は、そのように汚れていないのですが、どうしてでしょうか?」

先の長野県の男性の場合と同じ現象だなと思って、いろいろと考えているうちに、両者に共通項があることに気付きました。

共に重大な病気を経験したことがあり、それが共通項だったのです。

さらに、京都市における次の実験においても、同じ現象を観察することができました。

この方は若い女性で、美容師さんになったばかりでした。しかし、手荒れがひどく、その両手は真っ黒になってあかぎれができていました。

「今から、マイクロバブルを発生させますので、この水槽の中に両手を入れてください。その浸潤時間は10分です」

果たして何が起きるか、注意して、その水槽を眺めていると、みるみるうちに、水槽内のきれいな水道水が白くなっていきました。

もちろん、この白色化は、マイクロバブルによるものではありませんでした。やがて、その白色化によって入れた手が見えなくなり、底も見えなくなりました。

実験時間の10分が経過し、手を出していただいて、その水を観察しました。白色化が進み、いつまでもそれが消えることはありませんでした。

そこで、この3つの事例を整理してみましょう。

 ➊年齢60歳台、男性、長野の水、マイクロバブル入浴で黒くなった。

 ❷年齢40歳前後、女性、宮城の水、マイクロバブル入浴で黒くなった。

 ❸年齢20歳前後、女性、京都の水、手荒れの手のマイクロバブル浸潤で白くなった。

この❷と❸においては、さらに共通項があり、ともに美容師さんでした。また、➊~❸の共通項には病気が関係していました。

また、❷と❸の白黒の違いは、出てくる体内物質の違いではないかと推察していますが、詳細な原因は不明です。

これらの観察結果から、私は、この黒い水、白い水の原因は、それぞれの身体から「染み出たもの」ではないかと推論しました。

おそらく、私の長時間マイクロバブル入浴においても、これらと同じ現象が起きたのではないかと思います。

因みに、その翌日のマイクロバブル発生装置入浴では、そのように黒くなることはありませんでしたので、体調に左右される現象のようでした。

そうだとすると、これは、身体のなかの悪い成分が染み出たことになります。これをデトックスといい、その意味は、「体内に溜まった毒物を排出させること」です。



それでは、この排出作用が、マイクロバブル入浴で、どのようにして可能になったのでしょうか。

次回は、そのことについて、もう少し分け入って考えてみることにしましょう(つづく)。

てあれ-1
手荒れを写真撮影した一例です。この手荒れのために、年間6万人の若い美容師さんが辞めていかれるそうです。