「センサーとCPUによって作られる自然の制御物質発現のメカニズムが分かれば、開花、結実の人工制御の可能性が生まれます」

この佐藤先生の「洞察」に関しては、「センサー」、「CPU」が気になる用語です。

まず、前者のセンサーについてですが、これは、植物が自らの成長、開花、結実などの行為において、どのような信号を受け取り、判断をするかという問題に関係しているように思います。

そして、その条件が、ある域以上になると、そのセンサーの感度や総合的な感知能力が、ある量に達すると、それが質の変化に転ずるのではないかという仮説を抱いています。

そこで、
高さ1m弱もある巨大ホテイアオイのことを思い出してみましょう。

このホテイアオイが、なぜ、あのように、いわば「押すな押すな」の状態で育ったか、ここに特徴があることに気付きました。

これは、明らかに、マイクロバブルを供給していない状態のホテイアオイとはまったく異なる様相を示していました。

その区別が明瞭な写真を示しておきましょう。
ホテイアオイ比較

これは、前記事ので示した事例の翌年に、同様にホテイアオイを栽培したときの様子です。奥側にマイクロバブル水槽があり、やはり1m弱のジャンボホテイアオイが生息し、手前には、マイクロバブル供給がない池でのホテイアオイの様子が写されています。

この場合、この池から水中ポンプでポンプアップし、その水でマイクロバブルを上の水槽に噴射させ、そこをオーバーフローした水が返ってくる(中央左端に、そのオーバーフロー部分が見えている)ようになっています。

これを見れば、両者の違いは、それこそ一目瞭然です。

そして、手前のマイクロバブルなしの方では、その密植ができないように、ホテイアオイ自身が、その制御を行っています。

こうやって横に広がるのが、ホテイアオイの生育形態として自然なのだと思います。

ところが、マイクロバブルの方では、高密度栽培が実現され、それぞれが、みなよく育っています。

真にふしぎな現象ですが、その原因は、根の違いにありました。

明らかに、マイクロバブルの方の根が大きく、その数も圧倒的に多いことが明らかになりました。


根は、ある意味で植物にとっては、重要なセンサーの役割を果たしていると思われます。

この根によって、水分と栄養を吸収し、それらを茎や葉に送っていく、最初の基点が根のはずです。

このセンサーの感度が増して、その数が増えていけば、植物の成長促進における最初の引き金が得られることになるのではないかと思います。

そして、この根が十分に育っていけば、CPU(光合成などの生物物理学的反応)
の機能も大いに発揮されるようになるのではないかと思いました。

その意味で、マイクロバブルは、植物にとっては、栄養ドリンク、あるいはビタミンに匹敵するような物質とも考えることができるのではないか、この仮説の検証は、小さくない価値があるように思われます(つづく)。